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シュリナガル③
シュリナガルというところは、一般的には、治安が良くないエリアとされていて、わたしも今回行く予定には入れていなかった。しかし、ずっと行きたいと思っていた所ではあったので、チャンスがあれば..と考えていた。
実際、レーにいると日本人を含めて観光客はみんな出入りしていたので、「大丈夫だ」と判断し、やってきた。しかしながら、シュリナガル滞在中、観光客はほとんど見なかった。シーズンオフなのかもしれないけれど、有名なモスクに行くとちらほら見かけたが、街の中ではほとんど外国人には会わなかった。
その代わり、ライフルを肩から下げた軍人はよく見かけた。
いかにも、この土地で昔紛争していたんだなぁと思ったのは、思いがけない所に監視の場所が築かれていること。土手の中の草むらの隅っことか、橋の下の暗いところとか、人目につかないところに敵は潜んでいたのだろうか...以外な場所で職務質問をされることもあったので、よく驚いたものだった。
わたしのハウスボートから上がってきた河原にも、軍人がワイヤーで囲いをつくって見張っていた。
最初は、パスポートの提示を求められ、ここに来た目的だの、仕事は何だ?だのいろんなことを聞かれたものだったけど、毎日朝晩顔を会わせるもので、最後にはすごく仲良くなった。
彼らはあまり英語が話せなかったので、指差し会話帳を見せながら、たどたどしいヒンディー語で会話をしていた。みんな強面だけどとっても優しい人たち。
朝10時にユニークなガイドさんと待ち合わせをしていたので行ってみる。このガイドさんは名前がAbudulさんという。シュリナガル近くの村で大家族で住んでいるよう。
彼は、とにかく歩くのが早くて! 紹介したいところが山ほどあるとのことで急いでいるようだった。
旧市街に行くまでに、焼きたてのチャパティー屋さんや、パン屋さんに寄ってくれて、できたて熱々のパンをかじりながら歩く。すっごく美味しい。
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地図にも載っていないような、誰も使っていない古いヒンドゥ寺院やモスクなども、とにかくバンバン入っていく。もう使われていないツタの絡まったような古いヒンドゥ寺院が廻りの古い街並とも融合されて、とても美しかった。
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汚くて古いけど、ここの旧市街の街並は本当に美しい。特に路地には格別の美しさがある。
スコットランドのエディンバラやチリのパルパライソと同種の美しさのような気がする。
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橋の下からの眺め。ここはAbudulさんのおすすめの撮影スポット。いい写真が撮れました~
ゴミが多いのは致し方ない..this is India...
Abudulさんは、建物が工事中であろうと、見張り番の人が何か文句を言っているようでも、もろともせずにガンガン入っていく。多分、お布施とかもそうとう要求されていたようだったけど、強気でスルーする。
これは、ありがたいことだった。
旧市街の道々には、敬虔なイスラム教徒の人たちがのんびりと暮らしている。
薔薇の香水を売っているおじさんのお店に行ったり、道で染物をしている人、溶接をしてる人もいれば、店を開けたまま寝てる人もいる。みんな、わたしに笑顔で挨拶をしてくれる。
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カメラを持っていると、自分を撮ってくれという人もたくさんいた。あまり観光ズレしていない。
みんな素直で、警戒心があまりないので、本当に歩いていても楽しかった。
家に入っていったら?と言ってくれる人も居たけどAbudulさんは先を急ぐのでNG。
何と言っても、お茶の時間もくれない程のハードスケジュールである。(笑)
だんだん、わたしも自分の撮りたいものは止まってじっくり撮るようになった。来てないことを知ると、ちゃんと待っていてはくれるらしい。
わたしが気に入ったモスクは、Sha Hamdan Mosque。
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ここの建築、デザイン、モスクの中の空気、すべてが素晴らしかった。
ここは、石と木の融合された斬新な建築。色使いも緑が強くて、他の土地には見られないような色使い。さすがはカシミール地方。イスラム色が濃厚である。シンメトリーである正面からはもちろん、斜めからも後ろからも、どこにも抜け目のない斬新で美しい建築。施されている文様もシンプルでありながら上質だ。
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残念ながら、女性は中に入れないようで、外側しか見ることができなかったが、遠目から中を覗くと、すごいことになっていた。日々、この中でお祈りをする人たちは本当に誇り高い気持ちになるんじゃないだろうか。
感嘆しているのも束の間、Abudulさんは急ぎ足で次の場所へと向かう。
違う日にあらためてもう一度来ようと思って、とりあえず付いていく。
この日、訪れたのは8~10のモスクなどの建築物、そして旧市街の路地隅々まで歩き回り、わたしはもうフラフラでした。でも、どれもこれもオリジナリティがあって素晴らしくて、疲れてはいても好奇心がそれを上回っていたので、楽しかった!
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最後にチャイ屋さんで、お礼の500rsを渡すと、ちょっと物足りない様子のAbudulさん。
しかし、わたしはこれ以上は出せません...と言うと、インド人恒例の『No! Problem!!』。
ありがとう~と気持ちよく受け取ってくれ、次の日はぜひウチにご飯を食べにきて欲しいと言われるも、なんとなく気が進まなかったので、丁重にお断りする。
しかし、Abudulさんは家族のため、常に街を練り歩いてお客さんを求めているので、シュリナガルに居る間しょっちゅう、顔を合わせることになった。その度に、必ずブログに書くようにとしつこく言われたので、最後はもううんざりしてきたけれど。。
でも、この人はいい人ですよ。シュリナガルのことはよーーくご存知です。
ガイドを頼みたい方は、welcome.kasmir@gmail.comまで。
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