『だいすきな、きみへ』《しおんの詩〜第二章〜》9 /100
拝啓…だいすきな、きみへ
きみに手紙を書くなんて、初めてだよね
初めて逢った時、不思議なくらい違和感がなくて
ずっと一緒に過ごして来たような気がした
きみも確か、そう言ってくれてた
家族のような、兄弟のような…
関係的には、それくらい近い気がしていた
ずっと、2人で…
2人だけでいられると、どこかで、そう思っていた
優しいきみは、
関係性は今までと何一つ変わらないから、
今までどおり仲良くしよう、と言ってくれた
…言って、くれた
でも
俺は、素直じゃなかった
ホントはそれでも良かった
兄弟としてでも良かった
きみの幸せを祝福してあげたかった、のに…
もうひとりの俺が、嫌だって言った
きみを、独り占め、したかった…
こんなわがままな俺でごめんな
来世でもまたきみに出逢うことが出来たら…
今度こそは、
死ぬまで一緒にいたい
きみの、その優しい笑顔が、だいすきだった
さようなら
だいすきな、きみへ