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『紫の薔薇の王』《しおんの詩〜第二章〜》11 /100
姫…
来てくれたのか
…明日には、私の今後の処遇が、
決まる
そんなに、私が怖いか…
まあ、これまで
私がして来た様々なことを考えれば
無理もない…
今となっては
どんな言い訳をしても
許されるものではないが…
私は
貴女に巡り合ったことで
すべての罪を認め
どのような裁きも
受ける気持ちになれた
本当に
感謝している…
(姫が、こちらに近づいて来る)
姫…なぜ、
貴女が泣いてらっしゃるのですか…
私のために
泣いてくださるの、ですか
ありがとうございます
姫
最期に…ひとつだけ
私の夢を、叶えさせていただけますか
(キスをする)
ありがとう
これで
思い残すことはございません…
サヨウナラ