ラテンの教則本 Timbaとか最近のもの
もはや古典と言える内容である、「True Cuban Bass」や「Latin Bass Book」 は以前のラテンベース入門の記事でも紹介しました。
今度はTimbaなどもう少しモダンなCuba音楽のベースについて書かれた教則本を紹介したいと思います。
ベーシックなものをある程度理解してからではないと、少々理解が難しいのですがとりあえず触れてみるっていうのもありかと思います。
Cuban Timba:A Contemporary Bass Technique
IrakereやNG la Bandaでベースを弾いていたFeliciano Arangoの著書です。
まさにTimbaを作った張本人による教則本なので、当然に素晴らしいです。
買い方間違えると付属の音源が付いていないので要注意。
内容的には30%位がSonやGuaguancoでのベーシックなトゥンバオについて30%位がSonの有名曲をTimba化したベースラインの例示、解説。
30%でジャズスタンダードをTimbaにしたものでより発展的なものの解説。
残りがAfro-Timbaということで、Bataとのコンビネーションについて書かれたものとなっています。
とりあえず、ロジック的なのはともかくFelicicano Aragonのベースラインがやたらとカッコいいのでそれだけで「買い」ってことで良いんじゃないかという気になりますw
A Collection of Bass Lines:the Greatest Hits of Ng La Banda
そして、またFeliciano Aragonのやつです。
NG la Bandaでの演奏のベースのコピー譜です。
割と譜面の精度は高いと思います。
収録曲は
La bruja
Los Sitios entero
La Expresiva
Que viva Changó
Todo el mundo e'bueno camará
La protesta de los chivos
El trágico
Échale limón
Santa Palabra
Hice mi papel
Picadillo de soya
Te pongo mal
Un sueño terrible
というようにNg La Bandaの名曲ばかり。
これを先ほどの教則本を勉強しながらやるとめっちゃ発見があると思います。
John Benítez Bass Method
John Benítez著の教則本。
はっきり言ってベーシストの書く教則本とは思えぬほどマニアックなリズムトレーニングをネチネチと書いている超良書。
クラーベから独立してリズムを刻むということに特化して書かれています。ベーシスト版のオラシオ・エルナンデスの教則本みたいな感じですかね。
コピー譜もJohn Benítezがのかっこいい演奏曲が収録されていて良いです。
ラテンのベースラインを…というよりは、クラーベと共にいかに自由に演奏できる土台を作るかということを書いている教則本です。
そしてこちらがその続編"A Creative Approach to Salsa "
今度はベースラインについて書かれています。
Tresillo(トレシージョ)、Habanera(ハバネロ)、Guaracha(ワラチャ)、Bolero(ボレロ)といったラテンの根幹となるリズムを元にクラーベを踏まえてトゥンバオをどう発展させるか、またはどう構築していくかということを書いています。
(これについては下記で紹介しているBeyond the Salsa Vol.1の発想を元に解説されています。)
そして、この本の半分くらいはコピー譜でこれまた良曲が多くて楽しいです。
Beyond Salsa Bass
Kevin Moore著のBeyond Salsa Bassシリーズ。
(当初手元になかったので記載していませんでしたが、手に入れられたのでこのシリーズについてのレビューを2021/2/1追記しました)
Kevin Moore著のVol.1〜3は様々なスタイルについて歴史順にじっくりと解説をされていて濃い内容です。
Vol.6はAlain Perez著でのTimbaベースの解説で、Alainのアイディアが沢山かかれていて非常に面白い内容です。
とにかくアメリカ在住ミュージシャンから良い評判を聞きます。
ちょっとずつ買い足していこうと思います。
Kevin Mooreの”Beyond Salsa Bass”シリーズVol.1です。
"For Beginners From Changüi To Son Montuno"といったタイトル通りこれらが順に解説されています。
Clave Neutralでの各種トゥンバオについて、ベース・トゥンバオの歴史、Changüi、Danzon、Big Band、Sonについての解説。
Septeo Naxional,Havana SextreosにおけるTumbao。
ニューヨークでのSonについて、Arsenio RodriguezとSon Montunoについてなどなど非常に興味深い内容ばかりです。
Kevin Mooreの”Beyond Salsa Bass”シリーズVol.2です。
"Beginning to Intermediate Arsenio, Cachao and the Golden Age"というタイトル通り中級者向けとなるでしょうか。
Vol.1を読んでからのほうが理解がしやすいと思います。
Cierreについて、Arsenio Rodriguezの分析、Diabloについて、Cachaoの分析、1950年代のラテン黄金期の音楽の分析といった内容がかなりのボリュームで掲載されています。
Kevin Mooreの”Beyond Salsa Bass”シリーズVol.3です。
"Intermediate Salsa, Songo and the Roots of Latin Jazz"ということで、このあたりの美味しい所がしっかり分析してあります。
めちゃくちゃ分厚く440ページにもなる大作です。
ラテンとジャズの接点、ウォーキングベースとトゥンバオのスイッチについて、ラテン・ジャズ(Dizzy Galespie,Chano Pozo and Mario Bauza)、1950年代のCuban Descarga、
Puerto Rico Salsaについて、Pleanaについて、Bomba(プエルトリカンボンバです)について、ニューヨークサルサについて、1960年代のサルサ、Boogalooについて、
キューバでのサルサの発展について、Timbaという革命について、Songoについてなど。
それぞれの代表アーティストの分析が行われたりとかなり濃くボリューミーな本です。
正直、全部をまだ把握しきれていないのですがとても有意義なものです。
Kevin MooreのKevin Mooreの”Beyond Salsa Bass”シリーズVol.6です。
どうもVol.4〜5については未だに発売がされていないようでした。
飛び番になりますが、このVol.6が次の巻になっています。
Vol.1〜3までの内容とは大きく異なりこの本はTimbaでのBassについてのみ書かれています。
内容的にはAlain Pérezのトゥンバオの分析、解説というようなものです。
本人の動画も別途購入が可能ですので、左手のコンビネーションを含めたパーカッシブなMuffなどのアプローチもよくわかります。
Kevin MooreのKevin Mooreの”Beyond Salsa Bass”シリーズVol.7。
さらにTimbaについての解説の続編と思われますがこちらはまだ未入手なので内容が把握できていません。
おそらくVol.6を発展させていた内容というようには推測されますが入手次第また更新していきたいと思います。
という感じで、この辺りの本を持っている日本人ベーシストとお目にかかったことがないので情報を共有できたらなという感じですw
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