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保護犬×若者ペア報告:オレオ× N さん/ねぎま× U さん

キドックスは茨城県つくば市に拠点を置く認定 NPO 法人です。拠点の正式名称を HACC (ヒューマンアニマルコミュニティセンター)キドックスといいます。ちょっと長い名前ですが、私たちはこの名前に誇りとこだわりを持っています。

キドックスは「人も犬も自分らしく」を掲げて、捨て犬の保護から心身の回復、保護犬譲渡からその後の生活までのサポートと、生きづらさを抱える子ども・若者の一歩を支援しています。

今回は、自らもひきこもり経験を経て、キドックスで保護犬と若者の変化を見守る、ドッグトレーナー里見による、保護犬と若者ピックアップペアの報告です。

ドッグトレーナー里見 潤の紹介
2004 年、警察犬訓練専門学校に入学。卒業後、2006 年に出張トレーニング会社に入社。2008 年 5 月より、動物愛護団体「ドッグシェルター」スタッフ。「ドッグシェルター」では、保護犬の適正テスト、引き取りから、しつけ、預かり先との連絡、里綾への引き渡しまで、全ての業務を担当。2008 年 5 月〜 2011 年 7 月の間に 81 頭の保護犬を自宅にて 1 頭ずつ預かり、里親へ譲渡。独立後はドッグトレーナーとして活動し、出張トレーニングや犬に関する講師・執筆業も行う。
(社)ジャパンケネルクラブ公認訓練士/(社)日本警察犬協会公認訓練士


ペア①オレオ× N さん

お腹に白が目立つ保護犬オレオは、とても落ち着いた性格をしていますが、一方で頑固な一面も持つかわいいお爺ちゃん犬です。食べることが大好き、オヤツをモチベーションにしたトレーニング向きです。オヤツがあるとがぜんやる気になるものの、持ってないとわかるとやる気が起きません。

担当する N さんとの「オスワリ」トレーニング。上手にできるときもあれば、頑としてやってくれないこともあるオレオに悪戦苦闘。オヤツがないと指示を聞かないように教えてしまったのは、私たち人間側です。やらせなければ!と、N さんはも頑張ってくれますが、指示を出しても知らんぷりばかりでは、雰囲気も固くなる。そんなことが続きました。

オレオにとって、N さんにとって良いトレーニングとはなんだろう。年齢的にも落ち着いたオレオは、家庭に迎えた後、問題を起こすことはないでしょう。当初の目標にこだわらず、オレオが N さんと楽しい経験を重ねることが里親さんとの暮らしに繋がるのではないか。

オヤツも使いながら、人と一緒に歩く「ツイテ」トレーニングを取り入れました。

軽快な動きを見せるオレオと N さんに笑顔が増えてきました。お互いがイキイキとトレーニングをする様子を見ると、何よりも大事なことはなんだろうと考えさせられます。これからの N さんとオレオのトレーニングが楽しみです。

ペア②ねぎま× U さん

ミックス犬のねぎまは老若男女問わず、人と穏やかに関わり、触れられることも受け入れます。でも、目の前にパッと出される手に首を引っ込め、目を閉じる仕草をする。もしかしたら叩かれることもあったのではないか・・・人への好意と不安をねぎまは同時に持っています。

トレーニング、散歩、お手入れをしてくれる U さんをねぎまが頼るまでに時間は掛かりませんでした。一方でこの人なら甘えてもいいと分かると、ちゃんと覚えているオスワリを、「おやつがないとしないぞ」と、わがままな態度も見せることが増えてきました。

散歩途中の広場で取る自由時間は犬たちの楽しみの一つ。草に身体をスリスリしたり、存分に匂い嗅ぎしたり、各々好きなことを楽しみます。

その前にやるオスワリ、指示でなかなかやらないことに我慢できず、U さんの手がオヤツポーチに伸び出すと・・・ねぎまは見逃さずにオスワリをすぐにしました。

オヤツに頼っていたのは実は人かも・・・ U さん、オヤツに頼らず指示できるよう頑張ろう!すぐにできなくても諦めず、ポーチに伸びそうな手は我慢して、根気よく、ハンドサインと声の指示で伝える U さん。根負けしたねぎまがオスワリした!いつも以上に嬉しそうな褒め声の U さん。最近ではオヤツを使わなくてもオスワリできるようになってきました。

この秋に来たねぎまへの里親希望。U さんとの一つ一つの関わりが新しい家庭でも活かされ、良いご縁になりますように。

(キドックス四季報 Vol.32 より)

最近のキドックス〜 SNS から

【コミュニケーションタイム🎶】
写真は、とある日のコミュニケーションタイムの風景🐕✨

私たちがコミュニケーションタイムと呼んでいるのは、保護犬たちがニンゲンに対し安心感や心地よさ楽しさなどを感じてくれるための社会化の土台づくりのような時間のことです。

その時間関わってくれるのは若者たち。
保護犬たちは怖がりな子や元気な子、その両方を持ち合わせている子など性格や特徴も様々なので、その子その子によって目標も違えば関わり方も変わってきます。

犬たちがニンゲンってそんなに悪いものではないかも・・・ちょっとは期待していい存在なのかも・・・と思ってもらえるようコミュニケーションタイムを行っています🙌

若者たちが築いてくれた土台に、カフェに来店してくれたお客さまの関わりで更に土台が積み重なり、それが里親家庭での暮らしに活きてきて双方の幸せな生活に繋がっていく。
保護犬たちはこうしてたくさんの方のバトンが繋がることで未来が切り開かれていっています✨

未来の幸せな生活のために、今日も若者たちと保護犬たちはコミュニケーションタイムを積み重ねています😁🎶✨

スタッフ村本でした!

社会に居場所が見つからない保護犬や子ども若者にあなたのサポートが必要です

学校に行けない、家の外に出られない、孤独を感じる、生きづらさを抱える子ども若者。
飼い主に捨てられた、虐待に遭った、野犬として育った、人間を怖がる保護犬。

そんな彼らは、誰かに必要とされることで社会に居場所を見つけ、自信を持つことで自分の生きる道を歩みだし、自分らしく生きる一歩を踏み出すことができます。

保護犬や子ども若者のための居場所づくりには、皆さまからのサポートが必要です。応援よろしくお願いします!

認定NPO法人キドックス代表理事のnote

キドックス事務局長・岡本のnote