「キドックス・モデル」を全国へ。新たな挑戦のサポーターになっていただけませんか?
キドックスは茨城県つくば市に拠点を置く認定 NPO 法人です。拠点の正式名称を HACC (ヒューマンアニマルコミュニティセンター)キドックスといいます。ちょっと長い名前ですが、私たちはこの名前に誇りとこだわりを持っています。
キドックスは「人も犬も自分らしく」を掲げて、捨て犬の保護から心身の回復、保護犬譲渡からその後の生活までのサポートと、生きづらさを抱える子ども・若者の一歩を支援しています。
今回は、12月から開始したマンスリーサポーターキャンペーンのお願いをさせてください!少し長くなりますが、キドックスの新たな挑戦への想いを最後までお読みいただけたら嬉しいです。
いつも応援ありがとうございます!
キドックスを応援してくださっている皆さま、いつも本当にありがとうございます。 そして、今回初めてキドックスを知ってくださった方々も、見つけてくださりありがとうございます。
キドックスは、2011年から活動を始め、人と動物のどちらにも良い影響をもたらす「動物介在活動」を土台にして、さまざまな取り組みを続けてきました。皆さまの温かい応援のおかげで、これまでに少しずつ成果を出すことができたと感じています。
とはいえ、私たちのような活動は、まだ日本では珍しいのが現状です。そこで、キドックスが大切にしている考え方や取り組み(私たちはこれを「キドックス・モデル」と呼んでいます)を全国に広げていきたいと思っています。
人と動物が、どちらも自分らしく幸せに暮らせる社会を目指して、新しい挑戦を始めることにしました。 この挑戦を応援してくださる方を増やすため、今回「マンスリーサポーター」を101人募集しています。 月々1,000円からご支援いただけますので、ぜひこの機会に、キドックスの仲間として一緒に歩んでいただけると嬉しいです!
ある若者と保護犬のお話🐾
最初に、キドックスの活動に参加していたある若者と、共に支え合って成長し巣立っていった保護犬のお話をお伝えさせてください。
ー学校のいじめで不登校になった。自分の居場所が見つからない
穏やかでおとなしい性格だったHさん。仲が良かった友人がいじめに遭い、優しい性格から支えていたところ、味方をするのかとHさんにいじめのターゲットが変わってしまった。
徐々に学校へ行けなくなり家に閉じこもるように。家では犬を飼っていて、唯一、愛犬とふれあう時間だけが癒しだった。
ー何かしたいと思った時に、自分にも行けそうな居場所があった
家に閉じこもってから、最初は気持ちの落ち込みが大きかったHさん。しかし、自宅で心身を休めるうちに、徐々に何かしてみようかなという気持ちが沸いてきた。
「そうだ、保護犬のボランティア活動なんかやってみたい」そう思ったHさんはネットで保護犬のボランティア活動を検索しキドックスを見つける。
「犬のお世話や散歩なら、自分にもできるかもしれない。」そう感じたHさんは、キドックスに通ってみることにした。
ー最初は試行錯誤。担当犬との関わりで、自信がついてきた
犬との接し方や作業内容、ドッグトレーニングなど、試行錯誤だった。しかし、目の前のことにコツコツ取り組むうちに、作業の流れやルールにも慣れてきた。
そんな時「そろそろ保護犬を担当してみようか」とスタッフに言われ、”ポチ”という保護犬を担当することになった。ポチは穏やかでおとなしいタイプだが、どこか人を見る目が怯えていた。「あ、私に似ているな」Hさんはそんなことを感じた。Hさんだからこそ気持ちに寄り添い、「大丈夫だよ」と安心させる言葉をかけ、ポチができることを徐々に増やしていくことができた。
ー担当犬のためなら、がんばれる。
ポチとHさんのペアでトレーニングを初めてから数か月。
Hさんのお陰で自信がついてきたポチ。人を怯えるような目で見ていた様子は無くなり、Hさんの声掛けに自信たっぷりに「オスワリ」や「マテ」を披露する。ポチがHさんを見る目は信頼そのものだ。そんな時、ポチに里親希望者とのお見合いが入った。時折Hさんの顔を確認しながらも、初対面に怯えることなく里親希望者と挨拶することができた。
ー保護犬の再出発が自分の未来への希望に
ポチは2週間のトライアルを経て、正式に里親譲渡が決まった。里親さんからのポチの家庭での様子の写真やメッセージを読みながら、Hさんは「幸せになって良かったね、ポチ」とても喜んでいた。
ポチの次の担当犬のトレーニングを開始しながら、Hさんは自分もポチのように次のステップに進むことを考え始めていた。もっと犬の勉強がしたいと思っていたHさんは、ペットの専門学校に進学する目標を決めて、前に進み始めた。
キドックスはこんな活動をしています🐾
キドックスは、以下の2つを中心に活動しています。
①生きづらさを抱える子どもや若者のサポート
不登校やひきこもりなどで悩む子どもや若者が、社会とつながり、前向きな一歩を踏み出せるようサポートしています。
②保護犬猫のサポート
捨てられてしまった犬猫を保護し、新しい家族と幸せに暮らせるようにケア・トレーニングをして、里親さんを見つけるお手伝いをしています。
これらの活動を組み合わせることで、子どもや若者、犬猫のどちらも新しいスタートを切れるよう支援しています。
失敗しても問題が起きても大丈夫、誰かが必ず助けてくれる、という安心感がいつも共にある、そんな社会や生き方、あたたかな関係性が日本中、世界中に広がっていくことを、キドックスは目指しています。
人と動物が共に幸せに暮らせる社会を目指し、地域に根ざした活動を続け、このような取り組みが各地に広がるような取り組みにしていきたいと願いをもって活動しています。
キドックスが考える社会・業界全体の課題🐾
キドックスが活動を始めてから約10年の間に、動物介在活動は少しずつ広がってきました。今では、医療や福祉の現場、少年院などでも行われるようになり、国も保護された犬や猫が高齢者施設でアニマルセラピーを行うことを推進しています。この流れ自体は、とても良いことだと感じています。
しかし、私たちはこの10年間の経験を通して、動物介在活動の課題も強く感じています。
動物の福祉が守られていない現状
多くの活動で、人のために動物が使われることが重視され、動物自身の福祉やメリットが十分に考えられていないケースがあります。中には、動物が負担を強いられ、動物虐待に近い状況になってしまっている例も見られます。
なぜ課題が生まれるのか?
ガイドラインがないため、何が正しい活動なのか基準があいまいになっている
先行事例の研究が社会に十分共有されておらず業界全体の実践知が活かされない
人材育成に関するプログラムも整備されておらず、携わる人も質の評価・管理が難しい
動物介在活動は、ただ動物を人のそばに置けば効果があるという単純なものではありません。正しい知識と方法がなければ、動物にも人にも負担をかけるだけになってしまいます。
今、課題に取り組む理由
私たちは、10年間の実践を通して、人と動物の両方が幸せになれる活動の具体的な方法やノウハウを蓄積してきました。動物介在活動を通じてどのように動物福祉を捉えるのかも多数の実践知が蓄積されてきました。
だからこそ、動物介在活動が日本に広がりをみせている今、私たちの持つこの実践知や、私たち以外の先人たちの素晴らしい取り組みや知恵をどのように日本に広げていくか、適切な動物介在活動とは何か、動物も人も豊かになれる活動を増やすためにはどうしたらよいか・・・
まさに今が私たちが取り組むべきタイミングだと思っています。
私たちがこれから目指すこと~キドックス・モデル~🐾
そこで、私たちが目指す理想の社会と、それを実現するための方法や考え方をまとめたものを、「キドックス・モデル」としてまとめて、社会に発信していく決意をしました。
このモデルが目指すのは、人と人がつながり支え合い、動物と人が絆を育てる、誰にとっても優しくあたたかい社会です。人はその人らしく、動物もその動物らしく、それぞれの持つ可能性を活かして、心豊かに生きられる社会を目指しています。
「キドックス・モデル」の具体的な内容
人と動物の両方にとって良い効果をもたらす、適切な動物介在活動
必要な人材を育てる仕組みや、活動を支える体制づくりに関する実践知
人と動物の福祉を高める拠点としてのアニマルシェルターの理念や考え方
これらを日本中に広げることを通じて、私たちは人と動物みんなが豊かに暮らせる社会をつくっていきたいと考えています。
これまでの実績🐾
ひきこもりや不登校などで悩んでいる子どもや若者は、これまで500人以上関わってきました。
保護して新しい家族を見つけた犬は、100頭以上になります。
HACCキドックスには、年間で5,000人以上の方が訪れています。
また、キドックスの活動には、年間800人以上の子どもたちが関わってくれています。保護犬と触れ合えるカフェや子ども食堂、小中学生を対象にした動物ボランティア活動などを通じて、学校になじめなかった子どもたちが、地域の居場所としても利用してくれています。
講演やメディア出演もたくさん行ってきました。
特に、2020年9月26日には環境省が主催する「動物愛護週間中央行事」で、「人と動物の幸せにつながるソーシャルワーク」というテーマで、キドックス代表の上山琴美が講演を行いました。キドックスの活動が「人と動物の先駆的福祉モデル」として紹介されました。
「キドックス・モデル」実現へ向けて、こんなことをやります🐾
これまでの活動を通じて見えてきた課題を解決し、「キドックス・モデル」を日本中に広げるために、これから数年かけて次の取り組みを進めていきます。
1. 先行事例の研究を始めます
調査研究チームを発足
専門家を交えたチームをつくり、キドックスと類似する活動を調査し、先行事例を研究します。活動の「見える化」
キドックスのノウハウをわかりやすく整理し、他の地域でも実施できる形にします。モデル地域での実践
実際に「キドックス・モデル」を取り入れた地域での活動を進めます。
2. 情報発信と広報を強化します
啓発プログラムを作成
動物介在活動を適切に広く伝えるためのプログラムを作ります。情報サイトを開設
動物介在活動に携わる人たちが情報を得られるサイトを立ち上げます。
3. 活動を広げるための基盤づくり
ガイドラインの策定
動物介在活動を行うためのルールや基準を作ります。学びの場とコミュニティの提供
活動に関わる人たちが学べるプログラムや、交流できる場をつくります。
キドックスはこの約10年間、人と動物の福祉を大切にしながら活動を続けてきました。これからの10年は、その経験を生かして、「キドックス・モデル」を全国に広げるための新たな挑戦をしていきます。
人と動物がともに幸せに生きる社会をつくるため、引き続き歩んでいきます!
マンスリーサポーターキャンペーンのお願い🐾
上記の「キドックス・モデル」を広げる取り組みには、
専門家の方への謝金や交通費、スタッフへの人件費、webサイト運営費、印刷費など、取り組みにあたり様々な費用がかかります。
そのためにマンスリーサポーター101人募集キャンペーンを始めました!
キドックスは、「人と犬の豊かな関係性が溢れ、人がその人らしく、犬がその仔らしく、可能性を発揮できる社会」を目指しています。
自分が暮らす地域で出会う様々な人たちが、自分らしさを大切に日々の生活を楽しみ、その人たちが共に暮らす犬や猫たちも心身共に充ち足りた生活を送っていたら…それはどんなに素敵な暮らしでしょうか。
人と人・人と動物の良い関係性が地域中に溢れ、安心できる居場所やつながりがあるからこそ、次の一歩を踏み出して自分のやりたいことやまだ見ぬ可能性に目を輝かせながら挑戦することができるのではないでしょうか。
失敗しても問題が起きても大丈夫、誰かが必ず助けてくれる、という安心感がいつも共にある、そんな社会や生き方、あたたかな関係性が日本中、世界中に広がっていくことを、キドックスは目指しています。
そのために、困難を抱える人と動物とつながる接点をつくり、彼らの居場所や出番をつくって可能性を発揮し、地域の様々な資源を巻き込みながら、人・動物・社会のそれぞれがwell-beingへと向かえる良い循環を「キドックス・モデル」と名づけ、現在活動している茨城県のみならず、日本全国各地域に生み出していきたいと考えています。
「キドックス・モデル」の実現に向けて、当事者さんやそのご家族、保護犬猫はもちろんのこと、働くスタッフや活動に協力してくださるボランティアさん、運営を支えてくださる多くのご支援者の皆さん、サービスを利用してくださるお客様や愛犬のわんちゃん達など、私たちと関わるすべての人や動物たちが、「その人らしさ」「その仔らしさ」を大切に生きていける“チームキドックス”という共同体で在りたい。
すべての人と動物が、自分らしく輝く世界を目指して。キドックスの挑戦はまだまだ続きます。ご支援、応援よろしくお願いいたします!
キドックスこれまでの歩み🐾
2011年8月:キドックスは任意団体としてスタートしました。(2012年9月NPO法人として認められました)
2013年3月:土浦に「キドックスファーム」をオープンし、子どもや若者そして保護犬をサポートする活動をスタート。
2017年8月: 茨城県の指定を受けて、就労移行支援と就労継続支援B型の事業も始めました。さらに、2018年4月:つくば市に保護犬と出会える「キドックスカフェ」をオープン。保護犬と触れ合える場所として、地域の多くの方に利用していただくようになりました。
2020年5月: 認定NPO法人としての資格も取得しました。
2022年4月: つくば市に「ヒューマンアニマルコミュニティセンター(HACC)キドックス」を開設。この施設では、人と動物の福祉を支える活動を本格的にスタートし、就労継続支援A型の事業も始めています。
2024年9月:「キドックス猫部」を立ち上げました。小中学生が中心となって、保護猫を新しい家族に譲渡するプロジェクトです。同じ時期に、HACCキドックス内に保護猫専用のシェルターもオープンしました。
ご支援いただいた方には
皆様の温かいご支援をお待ちしています。
この活動を「いいな」と思っていただけたら、月1,000円からでもサポートいただけないでしょうか?寄付の解約・退会はいつでも可能です。