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札幌の飲食店は最先端?〜No Maps 2024 観戦記② 2024.09.23

食のイノベーションをテーマにしたカンファレンスを聞いてきました。

モデレーターはお笑い芸人アンジャッシュの渡部建さん。
「最近時間があったので札幌から道東まで旅行もした」とおっしゃっていました(笑)

飲食店は利用するものの、その経営者の方のお話を聞く機会がなかったため、とても新鮮な経験でした。

最先端の調理方法やサービスが話題になるのかなぁと創造していましが、ざっくりまとめると、トレンドを追うような話ではなく、どういった価値を提供したいか、自分が何をしたいかといった、自分が起点となって事業を進められているということを仰られていました。

私の勝手な印象ですが、橋本さんはわくわく型経営者、大坪さんは理念型経営者、杉目さんは戦略型経営者という感じで、その異なる3人の考えを同じ舞台で聞けたのがすごく面白かったです。


さて、登壇者と印象に残ったことをご紹介。


株式会社GAKU 橋本学さん

札幌東京、大阪などでリゾットのお店ケーキのお店パフェのお店などを展開。もともとイタリアンのシェフだったけれども、先輩方の技術にかなわないけどそれでも独立したので、リゾットに特化したお店を出店。

そして、当時まだ誰もやっていなかった夜パフェというお店を小さく始めた。さらに、ケーキ屋さんも始めた。これまでと違い売れ残りが生じる形態。そこでこの在庫をどうにかできないかと始めたのがきっかけ。ケーキを缶に詰めて自動販売機で売ると言うものところが自動販売機で落ちるときに、ケーキが型崩れしてしまう問題。そこで型崩れしないようにしっかりとケーキを詰めるようになった。在庫をどうにかすると言う問題解決にはならなかったけれども、これが新たな商品となった。

ご本人は謙遜されていたけど、まさに弱者の戦略の戦略ですね。リゾット、夜パフェ、ケーキ缶という局地戦の選択でルーオーシャンを攻め市場を作っています。

夜パフェはすっかり札幌すすきのの夜の文化として根付きました。

(株)ラフプランニング 大坪友樹さん

北海道の鮮魚の魅力を伝える。お店を運営店舗だけでなく、魚の流通まで一貫して取り扱っている。飲食店としては北海道から出ていくことは考えていない。道外に出ていくのであれば魚をだすことになると思う。

鮮魚の魅力をどうしたら伝えられるかすごく練られてるのが印象的でした。登壇されていた3人の中で最も理念先行型な印象を受けました。

3月の土曜日の夜8時頃に、大坪さんが経営されているお店に、当時はそうとは知らずよさそうなお店だなぁと、ふらっと立ち寄った2店舗がいずれも満席だった経験をしました。今度は予約してチャレンジしたい。


札樽観光(株) 杉目茂雄さん

もともとコンサル業界で働いていたところ、家業を継ぐために飲食業界に入った。飲食業界を知らなかったことが功を奏して、業界の常識とは異なる手を打てている。最近では富山発祥のハンバーガー店、ショーグンバーガーをすすきのにオープン。

新規事業に大切なことは、誰に何を言われてもやりきること

飲食業界は、他業種からヘッドハンティングされない業界。これではダメだと自社の社員には様々な業界のビジネスモデルを学ぶ機会を設け、他業種でも通用するような能力を身に付けられるよう努めている。

これはその通りだと思いました。

人手不足社会になり労働者が売り手市場となる。働く人にとって魅力ある企業でないと採用は難しい。就職した後に他の企業では使えない能力しか身に付けられないとしたら、そんな企業に入りたいと思うだろう。転職が当たり前の社会。そうした社会では、ヘッドハンティングされるような人材を育てられる企業が魅力的な企業だろう。
自分が所属するような行政も、そのように変わっていかないといけないと思う。スキルの洗い出しと再定義が必要になっていると思いました。

カウンターしかないすすきにあるお店。行っていみたい!行ってみたい!行ってみたいと思いつつ、行けていないお店の1つ。

ショーグンバーガーはFC店とは言え、「生ラムジンギスカン山小屋」とコラボしたオリジナルメニューもあるみたい。ここも行ってみたい!


アンジャッシュ 渡部建さん

自虐ネタを入れつつ会場から笑いを誘うのは流石。

実は、札幌の飲食店では先端的なサービスの提供がされている。東京などの飲食店の経営者が札幌に視察に来て学び、札幌で始まっている新しい試みがその後東京で展開されるようなことがよくある。ナチュールワインが東京で流行っているが数年前に札幌の飲食店ですでに提供されていた。

飲食店を訪れる理由は味だけではない。料理にあるストーリー性を重視している。どちらかというと料理を舌ではなく脳で味わっている。

やっぱり渡部さん、すごかった。
他の登壇者の方が話題にされた全国の飲食店を全てフォローされていた。しかも単に「美味しいお店ですよね」ということではなく、そのお店の概略、おすすめのポイントなどをコンパクトに的確に説明されている。コメント力は本当にすごかった。

料理を脳で味わうという視点も面白いですね。
弱者の戦略として、ストーリー性を大事にし、こだわりをしっかり打ち出していく方法が有効なんですね。


以上、レポートでした。
Google Mapやネットの評価を参考にお店を選ぶのではなく、経営者のインタビューなどを参考にして、脳で味わえるお店探しをしても面白いかもしませんね。

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