医局制度と入局&退局の話
医局
医師のキャリアにおける最大のテーマにして、永遠のテーマ
医局
医局に所属もしたし、
開業以外で円満に医局から外れ、
自由の身となった経験と知見をまとめます。
入局制度
私が大学医局に入ったのは2010年ごろの話だ。
細かな制度の変更はあれど、その本質は現代にも通じることは多いだろう。
医師人事をあまり知らない読者のために、医局制度をまず説明しよう。
各病院にある医師デスクの集まる控室も医局と呼ぶのでさらにややこしいが、今回の記事では医局といえば、大学医局(講座)のことである。
大学医局は、一言でいうと職業ギルド集団である。
大学および診療科ごとに医局が存在していて、
東京大学腎臓内科の医局(=腎臓内科学講座)
京都大学整形外科の医局、などの形で存在する。
どの医局も本質的な機能は同じ。
人事
専門医の育成
大学院(博士号取得)
研究
高度医療の提供
この中で特に注目されるのは医師の人事機能である。
医師の人事異動を大学医局組織が決めており、大学人事で勤務している医師を医局派遣と呼ぶ。
これが関連病院に対する大学医局の権力の根源である。病院側は大学と仲たがいすると、翌年からその科の医師が不在となり、売上激減のリスクにさらされることになる。
派遣に詳しい読者はご存知かもしれないが、医師は労働者派遣事業が禁止されている。
大学医局は派遣業違反かといえば、そうではない。
大学は人事を決める。ただし派遣はしないのである。
あくまで人事に基づいて、医師が自主的に退職し、次の職場へ就職するという構造になっている。
人事に従わない医師が出てきた場合など諸問題はあるが、いろいろな解決策があるようだ。
実態として人材派遣を行って、紹介料に当たる寄付金を病院から受け取るケースは、有料人材派遣業に当たらないのかという疑問もあるが、グレーゾーンだし、それで成り立つ医療も存在していることは事実だろう。
入局の動機
初期研修が2年終わったのちに、私はすみやかに大学医局に入り、
医師3年目からは、医局人事に乗って複数の病院を転々とした。
なぜそれが分かっていつつ入局したのか。
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