(お題箱回答)サワタリ・カンパニーについて
昨年12月にPostされていたお題ですが、「ウェルカム・トゥ・ジャングル」を読んだあとの気持ちがどうにも言語化できなくて回答していませんでした。
だって「ウウー」「オアァー」みたいなうめき声だけ書いて出すわけにもいかないし…。
バイオインゴットに代わる薬品の開発に成功し、南米で平和に暮らしているなんて誰が予想できたかって話ですよ。
新顔のK2&K3の様子を見ていると、安全かと言われれば多少の問題はありますが(なんせ業務報告が侵入者の手首だ)不自由を感じさせない環境で暮らしているように思われます。
ずーっと略奪行為で生きてきて、外との交流もほとんどないゲリラめいた潜伏生活を続けてきたのが、いまや安住の地を得て……しかもカイシャとして人間相手に信頼ある取引を行い……人間の従業員も雇って……。平和に……。
ウウー(うめき声)
フォート・サワタリのうまく隠された立地とか、自給自足可能になってる様子とか、たぶん社長の右腕的ポジションになってるディスカバリーとか、人間の社員たちとの関係も良好そうなところとか、10年の間にどれだけの工夫と努力をして、ここまでこぎつけたのか……。
PLUSの記事ではバイオニンジャとバイオインゴットの話とか、大将が研究者としてはそれほど能力が高くなかったけど地道な努力でついにブラックタイガーを開発したとか、いろいろあるんですが、まあ、うん。
オアァー(うめき声)
落ち着こう。
第三部のラストで大将が「やめにする!」と言ったとき、わたしは本当にうれしかったんですが、以後、あいかわらず奪い、奪われ、追われる日々を生きているのだろうなあと思っていました。
三部のショーユ回で「真のジゴク」という言葉が出たあたりから(あるいは二部オペレスで「軍備増強はクランの命題」と言ったあたりから?)、サバジョは秘された目的に向かって動いてきました。
だからあの「やめにする」という言葉は、サバジョが明日も生きていくと決めたのと同時に、目標を失うこと、彼らの戦いに到達点がなくなったことを意味していたわけです。
死ぬ前提でヨロシサン本社までついてきたバイオニンジャたちの抗議に対して、大将は彼らの納得できる答えを示せないまま撤退したのでした。
ヨロシサンをつぶせば完全勝利だ、追われることもなくなる。でも”家族”を死なせてまでできることじゃなかった。じゃあ代わりにどうやって勝利と自由を得たらいいのか?
3部で回答を保留した問いに、10年後の大将とバイオニンジャたちがあのような形で答えたことはとてもうれしいことだなあと思います。