キモシェア日報「古川のごんぎつね」

最近古川さんの部屋が日に日に悪臭に包まれていっているというのは以前から僕も気がついていた。

現在同居しているラッパーのiida reoさんは非常に鼻が強く、引っ越してきたばかりの時に皆で戯れに「古川さんの部屋に入ってくださいよ」と言って入れたら入った瞬間に「おえええ！！おえええ！！！！」と嗚咽しながら古川さんの部屋から飛び出してきて、目の前のトイレに飛び込み便器を掴みながら「なんなんですかあれ」と涙で濡れた真っ赤な目で呟いていた。自分じゃ手に負えない悪霊と戦わされた霊媒師みたいな言い方だった。しかし、実際に悪霊がいると言われても信じてしまう、というよりむしろ人間の理解を超越した何かがないとおかしい、と思わせてくる悪臭を古川さんの部屋は放っている。

僕らの家の間取りは、玄関を開けたらすぐ目の前に廊下があり、その玄関入ってすぐの左側に古川さんの部屋、右手に風呂とトイレ、そのまままっすぐいき扉を開けるとリビング、さらにリビングの向こうに二部屋あるといった構造なのですが、僕が住んでいるのはそのリビングの向こうの二部屋のうちの一つで、その部屋の中にいても、古川さんの部屋の扉が開いていたら
「扉開いてるやん」と臭いでわかってしまうほど部屋が臭い。
リビングの扉、僕の部屋の扉、都合２つの扉を飛び越えて僕の鼻に入ってくるほど匂いに存在感がある。

しかし、僕はそんな古川さんの部屋に頻繁に出入りしている。

廊下を歩いていると、部屋の中から古川さんの声で
「木田　部屋に入ってこいよ」
と呼ばれるからだ。もちろん部屋はめちゃめちゃ臭い。でも正直僕は慣れてしまった部分もある。前体制(春とヒコーキ ぐんぴぃ、レンタルぶさいく、プロポーズ ならた　サスペンダーズ 古川　ガクヅケ 木田)現体制(ド桜 村田　フランツ 土岐　サスペンダーズ 古川　ガクヅケ 木田　iidareo)含めて、ここまで臭くなった古川さんの部屋に長時間、そして長期間入ったことのあるのは僕だけだろう。今回はそんな僕と古川さんの部屋の関係、そして最近僕が体験した「古川ごんぎつね」についてお話したい。