見出し画像

5 Best Releases of Korean Indie, 2020 April/ 韓国インディ音楽、2020年4月のベスト・リリース

3月版はこちら:10 Best Releases of Korean Indie, 2020 March/ 韓国インディ音楽、今月の10作〜2020年3月

1: Stella Jang 스텔라장『Stella I』(Album)
Label: Grandline

画像2

先月はシングル「Recipe」を紹介したシンガー・ソングライター、Stella Jangのデビューから約6年にして初の正規アルバム。彼女の武器の一つループ・サンプラーを使った演奏を披露する一曲目「Go Youy Way」や、中学生の時から11年を過ごしたフランスのポップスの影響を感じさせるタイトル曲の一つ「Villain」などは彼女にしか作れないポップ・ソングだ。一方、12曲が収められた本作では、後半に続く緩やかなフォーク、カントリー調の曲たちも彼女のシンガー・ソングライターとしての実力を証明させ、印象的だった。中でも、悩みや痛みを捨てるため遠くに旅に出て帰って来だけど、現実は結局以前と変わっていなくて憂鬱になってしまう、カントリー曲の「Reality Blue」、「今日もよくやった、”もっとよくできる”とムチを打たなくていい」労うR&B、ブルース調の「Good Job」は、共感する聴き手を優しく包み込むだろう。

最近Stellaは、初期のシングル「Colors」のTikTokを経由して再ヒットしたり、BTS「Friends」のソングライティングへの参与するなど、キャリア上の大きなハイライトを迎えている。収録されている曲は、決してシングル・チャートの上位に入ったりはしていないが、いまの韓国のポップの多様性を知るには欠かせない一枚だ。

2: Uza 『Banality of Evil』 악의 평범성"
Label: Corée Sounds

画像2

エレクトロ・ミュージックを志向するシンガー・ソングライター、Uzaが2枚のEPを経て発表した初の10曲入り正規アルバム。プロデューサー、Shaneとのデュオ、Uza & Shaneでは、マックス・マーティンの名前を出してもいいくらいキャッチーで、ポップスの「楽しさ」を詰め込んだようなエレクトロ・ポップを披露しているが、彼女のソロ・プロジェクトは対照的にダークで、よりシリアスさを纏っている。KraftwerkやDepeche ModeからOPNやArcaのような昨今の先鋭的なビートメイカーまで古今東西のエレクトロ/テクノ・ミュージックを昇華し、多彩なトーンを聴かせるトラックを聴けば、彼女がヨーロッパでも注目を浴びていることにも納得だろう(その上歌から編曲までセルフ・プロデュースで完成させている!)。タイトルを、ドイツの哲学者・思想家、ハンナ・アーレントによる同名タイトル悪の陳腐さについての報告」に影響を受けているコンセプト作だが、その”悪は平凡な日常の普通の人たちによって行われている”というテーマは、いまの社会で起こっているいろいろな問題にも通底しそうだ。

3: Park Moonchi 박문치 『PANIC BUTTON Original Track Vol.1』(Single)
Label: D_AMUSEMentS

画像3

「The Story Of The Year 그 해 이야기 feat. Wonwoo」
Newtroムーブメントのトップランナー、Newtro Queenなんて呼ばれ方もしている注目のプロデューサー・シンガー、パク・ムンチ。2017年に박보민(パク・ボミン)名義でシングル「울희액이」でデビュー、その後パク・ムンチに改名後3枚のシングルを発表すると共に、George, Stella Jang, Minsuなどインディ・アーティストの楽曲のプロデューシングを手掛け、その90年代のヒップホップやR&B、あるいはシティポップ的なプロダクションでじわじわと話題を集めている。今年に入ってからはEXOのSUHO、元Wanna Oneのカン・ダニエルの楽曲も手掛け、一気に地位を高め、先日大手インディ・レーベル、Magic Strawberry Soundと契約しました。

この曲は、"シティポップ 古くなった未来”をテーマに、バンドIlloYloのボーカル、カン・ウォンウを迎えています。歌詞はウォンウの片思い時代を思い出して買い足そう。テーマ通りなシンセサイザーの音使い、そこにこれ以上なくマッチしたウォンウの甘いボーカルが重なれば遥か昔なのか、近未来なのか、幻想的なビーチへと誘われていく。

4: OOHYO 『Brave』(Single)
Label: 문화인 文化人

画像4

日本でも公演経験のあるエレクトロ・ポップのシンガー・ソングライター、OOHYO(ウヒョ)。昨年のアルバム『Far From the Madding City』に収録されていて同曲を、よりハイファイな音で(?)シングル・カットした。OOHYOの曲に欠かせない魔法のようなドラマティックなコード進行で、絶望に打ちひしがれても勇敢になろうと前に進む人の背中を押す。


5: We Are The Night 『Ice Dance』(Single)
Label: big.wav Music

画像5


4人組バンド、We Are The Nightのニュー・シングル。ドリーミーなシンセのメロディに乗せて、美しい愛を歌う。5月にはこの曲も収録した7曲入りEP『Midnight Fantasy』も発表している。



いいなと思ったら応援しよう!