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韓国インディIntroducing (2) 韓国の新人SSW、임금비 Keumbeeが気になる!

中毒性ある「908」

13日に初のEP『I can't believe it's not butter!』を出したソウルとニューヨークを拠点にする新人SSW、임금비 Keumbee(韓国語読みではイムクムビ、英語名はクムビにしているよう)が気になって仕方ありません!タイトル曲の「908」の口笛のようなメロディ、軽快なカッティング・ギターとものすごく中毒性があるし、透き通った彼女の歌声も魅力的です。ポップな曲を作るセンスがある感じ。

同じ韓国のシンガーでいうなら、フランスに長く住んでいたStella Jangがやるジャンル折衷な感じ、昔のフレンチ・ポップさとなんか被る部分があるなあ、と思ったらそのStella JangもInstagramで임금비 Keumbeeのこと紹介していたよう。

収録曲7曲中5曲は韓国ロック・バンドのカバー

EP『I can't believe it's not butter!』は「908」と「어영부영」(成るがままに、ゆらゆらとみたいな意味)の2曲以外は全て韓国のロック・バンドのカバーです。幼い頃から父の影響で聴いていた曲たちのよう。
EP『I can't believe it's not butter!』の収録曲
1. 908
2. 보고 싶은 사람도 없는데 (チャンギハと顔たち 原曲)
3. Sneakin' Into Your Heart (Sultan Of The Disco 原曲)
4. New Hippie Generation (Peppertones 原曲)
5. 어영부영
6. 아빠가 벽장 (Nunco Band (ヌントゥゴ・コベイン)原曲)
7. 이런데서 주무시면 얼어죽어요
Keumbeeバージョン。

Jaurimの原曲

NYの音楽学校でジャズ・ボーカルを専攻、
以前から独特のカバー動画で人気を集めていた


彼女、デビューしたのはEPから先行公開した7月のシングル「Sneaking Into Your House」で全くの新人なのですが、実はもう5年くらい韓国のインディ、アート界隈では知られている名前のようです。YouTubeやInstagramにアップしたカバー動画で、透き通った美しい歌声、ジャズ風のアレンジ、アニメーションやコラージュ・アートの独特でユーモラスな編集方法なビデオで人気を集めていました

彼女は2016年ごろには、ニューヨークのThe New School for Jazz and Contemporary Musicでジャズ・ボーカルを専攻しています。そしてどうやら、初EPでも作曲、プロデュース等を一緒に手掛けているAlfieという人がその頃から一緒に作業をしていたようです。上の「이런데서 주무시면 얼어죽어요」の動画で右でキーボードを弾いている方です。

こちらは언니네 이발관 オンニネイヴァルグァン お姉さんの理髪店(Sister's Barbershop)の「Beautiful Thing」のカバー。絵の中のTVのなかで自分が弾き語りをしているという。

こちらはQueen「Bicycle Race」のカバー。

スタンダード・ナンバーをカバーしていることも多いです。こちらは「I Didn't Know What Time It Was 時さえ忘れて」。

そしてなんとこちらは太田裕美「木綿のハンカチーフ」のカバー!

最後に僕の好きなJannabiの「신나는 잠」。


オリジナル曲もかなりセンスがあるし、「908」を通して人気に火がつきそうですが、カバーでも、"Keumbeeといえばジャズっぽい演奏やムード、ユーモラスなビデオ..."そういう自分だけのシグネチャー・スタイルをしっかり確立しています。

スタンダード・ナンバーやジャズなどポップの伝統を通した彼女のポップ・ソングには、軽やかで楽しく、世代や場所を選ばず愛されるような魅力も感じる(Benny SingsやRex Orange Countyを一緒に聴きたくなりました)。冒頭で名前を出したStella Jangと同じく、韓国にはあまりいないスタイルのユニークなポップ・シンガーの登場!といった感じで、今後も注目です。是非Instagramフォローを!

●EP『I can't believe it's not butter!』(MO records)
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