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怪談No.09 暗所恐怖症

僕は軽めの暗所恐怖症です。

暗闇にいると発作は起きないが、恐怖で冷や汗をかいたり冷静な判断が出来なくなるくらいだと思ってください。

そんな僕が昨年暗所恐怖症ゆえにパニックを起こした話です。


その日は仕事の飲み会の関係で終電で家に帰れなくなったため、ビジネスホテルを予約して泊まることにした。

予約が済みホテルへ直行した。酔っぱらっていてすぐに寝たいという気持ちでいっぱいだった。

部屋のドアを開けると真っ暗だったが、どうせ部屋に入るとセンサーが反応して明かりがつくタイプだと思って部屋に入った。

部屋に入ったが廊下からの明かりがあるため、真っ暗ではなかったから部屋の奥の方まで行って持っていた荷物をおいた。

するとバタンっと部屋のドアが閉まった。

やってしまった…

酔っていてストッパーをつけるのを忘れていた。さらに部屋もセンサーが反応するタイプではなくボタンで明かりをつけるタイプだった。

僕は暗闇に耐えられないから、スマホのライトをつけようとした。

しかし暗闇ゆえに焦ってポケットからスマホを出そうとしてしまい、スマホを落としてしまった。

画面が明るいままのスマホが足元に転がるのを目で追うが、途中消えたようにスマホがどっかにいってしまった。

おそらく机かベッドの下に潜り込んでしまったのだと思って、その場で地べたに這いつくばってスマホを探したが見つからない。

最悪だ。冷や汗が止まらない。酔いも醒めてきた。

でも部屋に閉じ込められたわけじゃない。部屋へ入った方向の真逆に進めばドアへたどり着けると思ったが、地べたに這いつくばってスマホを探しているうちにどの方向にドアがあるのか分からなくなった。

それでも壁に沿って進めばいずれ絶対ドアにたどり着くから、必死になって壁に体を引っつけて進んだ。

途中何かを落とす音が何度か聞こえたが、そのときはそんなものどうでもよかった。部屋からの脱出が最優先だった。

やっとドアノブが見つかり、ドアを開ける飛ぶように部屋から出た。

しかしまだ暗いままで勢いよく飛び出したため、足が何かにはまって転んでしまった。はまった足はかなり濡れていた。

ここはトイレだ…

もう限界だったので、最後に取った行動が叫ぶことだった。

「すみません!助けて!」と午前2:00を過ぎているのにも関わらず大声で叫んだ。

すると10分くらいにスタッフが部屋の前まで来て「どうかなさいましたか?」と聞いてきた。部屋から出られなくなった経緯を話そうとしたが恥ずかしいので、ドアが故障をして内側から出られないと説明した。

すると「確認しますので少々を待ちください」といって、結局マスターキーか何かで部屋を開けてもらった。

僕は恥ずかしさを隠すため急にドアが開かなくなったとスタッフに説明していたが、スタッフは僕の目と僕の濡れた足を交互に見て聞いていた。

スタッフは夜も遅いので変な奴とは関わりたくなかったためか、何も聞かずただ謝ってその場を離れた。

スタッフ、同じ階のお客さん、本当に申し訳ありませんでした・・・


あとここまで読んでくれた皆さん、ごめんなさい。

書いているうちに薄々気づいていましたが、これは怪談ではありませんでした。すみませんでした。

次回は必ず怪談を書きますのでよろしくお願いいたします。



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