【社会人になる君へ。私の失敗談】
(サブタイトル 危篤からの生還)
作 キッド
4月。桜が舞う中、真新しいリクルートスーツに身を包み、気持ち新たに新社会人として一歩を踏み出す方たちへ。
わたしの失敗談を反面教師として、
何か感じて欲しくて初NOTE
書いています。
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時代はバブル崩壊前。
高校に届く仕事の求人は選びきれないほど大量にあった。
一人につき100社は選べる
想像もつかない仕事内容がずらずらと並ぶバブリーな時代。凄かった。
工業高校にも職種問わず異業種な求人が数多くきていた。
学校は男子校。
機械科は地味だった。
工業系の仕事に全く興味がなかった私。
こんな高校生が就職した先は
お菓子問屋だった。
※話が随分それてるので本題に。
社会人になった初日。
全国各地に配属された新卒採用者が地元本社に集結。
バスに乗り込み2泊3日の山奥にある研修センターへ向かって走り出した。
40人の新入社員。
男性8人 女性32人
高卒は私を含め4人だけ。
あとは全て大学生卒の先輩達だった。
有名お菓子メーカーの工場見学をして山奥の研修施設へバスは移動した。
到着後、会議室で人事部長が資料をもとに社内の業績、この先の展望などの教育が新入社員研修会で行われた。
学生時代の授業と違う緊張感。
居眠りなんてあり得ない。
全員が真面目に話しを聞きメモをとる。
私は身にまとうスーツ姿の自分に
酔いしれながら、大人の世界に来たんだと優越感がちょっぴりあった。
そして、研修が終わり新入社員40人の親睦を深める夕食会が開かれた。
私はこの親睦会で、男性、女性の先輩方に「こっちに来て、こっち」と
可愛がられた。
理由は未だに分からない。
だが、その後の記憶が無い。
なにをしてたかも記憶がない……
目が覚め意識が戻った時は
2日目のお昼頃だった。
病室のベットの上。
腕には点滴。
酸素マスク。
見渡すと会社の人事部長、営業所長、私の両親、高卒同期の友人に囲まれていた。
記憶がない私は、同期の高卒友人に何が起こったのか聞いて愕然とした。
それは…
親睦会のあと、男8人で大浴場へ行き、私は浴室の中ではしゃいで走り回り、滑って転んで後頭部を強打して口から泡を吹いていたと…いう事実。
大学生の先輩方が慌てて救急車を手配したらしい。
真夜中、山奥の研修センターに救急車が到着。
みんなが見守る中、お風呂場から搬送された私は股間を隠して、気を失っていたと聞かされた。
一躍おバカな新入社員が誕生。
高卒の同期が救急車からずっと付き添ってくれたことに感謝しかない。
救急病院の診察中に後頭部を強打してる私。
ドクターの質疑応答の中、突然ワケのわからない言葉を発しだした私を診てドクターが危篤だと宣告したらしい。
会社から連絡を受けた両親は慌てて真夜中に病院に駆けつけたと同期の友人が教えてくれた。
社会人になった初日に一度死んだ私。
しかも、とても大迷惑な行為で人を巻き込んでいる。
研修は初日のみ参加。
3日後に退院。新入社員の皆んなと同じバスで帰りたいと人事部長に伝え、希望通りに帰りのバスに乗せてもらえた。
一躍おバカな新入社員はバスマイクを使って全員に謝罪をした。
最後の解散式が行われたホテルの立食パーティーの席で、社長からは名前を覚えられ「○○くん面白いヤツだな」と怒られたのか、褒められたのか分からない。
【社会人になる君へ伝えたいこと】
それは、社会人はお風呂場で走ったらダメだってことだ。
終わり