正門良規のオンナになりたくて
時は、満ちた。
数年前から、わたしには無視できない男がいる。その男の名前はもうずっと、呪いのように付き纏ってくる。
「正門が〜」
「正門っていうやつがいて〜」
「正門とご飯行ったんですけど〜」
単独で出演した映画雑誌のインタビューでも、ジャニーズwebのブログでも、その男の名前は永遠についてくるのである。
"なんだか正門くんに会いたくなってきました"
とある雑誌の記者さんが、あまりにもこの名前を聞きすぎて、インタビューの流れでこのような発言をしていたことは、たぶん一生忘れない。
それぐらいもう、わたしは正門良規という名前を聞きすぎたのである。
大吾くんが正門くんのことを好きすぎるせいで。
だから、こんなことになってしまった。
もう手遅れだ。
正門くんが、約束してた時間に何時間遅れても怒らず待っててくれることとか、心が折れそうなときにそばにいて支えてくれることとか、そんなの全部知ってた。
「大好き!」ってすぐに言って意外と愛情表現がストレートなことも、「一緒にいると落ち着く」って言ってくれることも、特別を作らないと言いながら本当に特別な人のことはちゃんと「特別」ということも。
あと、礼儀とか品性をすごく重んじる傾向にあることも。好きな女性のタイプであげているのは、「お箸の持ち方が綺麗な人」「ちっちゃい信号を守る落ち着きがある人」「おっとりしててちゃんとしてる人」「字の綺麗な人」「どこに連れて行っても恥ずかしくない人」とかだ。
まあすべてにおいて西畑大吾くんが当てはまることは無視できない点ではあるが、なにが言いたいかというと、とにかく正門くんは優しくてちゃんとした感性を持っていて人間としてしっかりしている、素晴らしい人なのである。
流星くんも大吾くんも、みんなみんな、正門くんを精神的な支柱としている部分がある。
そのわりに、猫みたいな性格の子が好きなのも知っている。たぶんなんやかんやで振り回されたいんだと思う。大吾くんに散々「正門はええわ〜」とかツンデレを発揮されているのに、かなり嬉しそうにしている。
なんなの???
本当になんなの????
その包容力と溢れ出るリアコ感、本当にどうにかしてほしい。
なのにちょっと天然でぽやぽやしてて、可愛くて騙されやすそうなところがあるの、ずるい。
こんなつもりはなかったのに、気づいたら恋をしていた。
正門くんは、黒髪で目元がクリッとしているロングヘアの女の子が好きらしい。髪の毛で横顔が少し隠れる感じがいいとのこと。初恋の女の子は色白のハーフ顔。
とりあえず、美白ケアの化粧水をAmazonのカートに入れた。
正門良規のオンナになるための戦いがいま、始まろうとしている。
※注 西畑担です。(おかしい)