「カーヌン」
今回の台風6号、「カーヌン」は、タイ語でパラミツらしい。
結構な被害状況が沖縄全土で出ているが、ちょっと申し訳ない気持ちになるのはそのネーミングのせいだろう。
そしてうちのエリア、停電丸ふつか目。少し先に行くと明かりがついているから、局地的なんだと思う。
停電してからというもの、寝ても覚めても頭のなかは海老のことばかりだった。
うちの冷凍庫には、パプアニューギニア海産の天然海老の冷凍が20袋ほどストックしてある。他にもマグロのブロックとか、鹿肉とか鮭の切り身、しらすなども入っているけど、なにはともあれ海老である。
いざとなったら殻を全部むいて、水煮、オイル漬け、フライパンでから炒りして干し海老等々をこしらえて瓶で保存するしかないなと覚悟していた。ただそのタイミングが難しく、まだぎりぎり凍っているからだいじょうぶだろうと様子を伺っていたところ、近所の友人のインスタで、「電気開通!」とあったもんだから、海老持ってさっきすっとんで行った。
飲食店を営む友人宅には巨大な冷凍庫があるからひと安心なのだ。
あとは、半解凍状態の葉山の釜揚げひじきをなんとかしよう。
そうだ、梅干しと白胡麻でひじきふりかけを作ろう。
甜菜糖と醤油、日本酒で水分がなくなるまでひたすらに煎った。(暇だから)
子どもたちはネットが繋がらないものだから、絵を描いたり、歌を歌ったり、子猫と遊んだり、外に椅子を運んで「洞窟おじさん」を読んだりしている。
屋上階の両親も、テレビが見れないので「本貸してー」と、お店に来た。
母は、「はたらかないでたらふく食べたい」(栗原康)を借りていった。
夜は風がびゅーびゅーだけど、閉めると暑いから窓を開けて寝る。
目をつむると虫の声が聞こえてくる。
「わたしは今、インドネシアの高床式の家に来ています。壁がないので、風が四方から入ってきます。そのおかげで蚊はいません。」
ちょうどいいタイミングで、ヤモリが「キャキャキャ」と鳴いた。
頭のなかは、ガムランが高々と響いている。
妄想三昧だ。(暇だから)
「夕飯は、ココナッツの実を割ったらちょうど熟していたので、そのミルクと干し魚と青いバナナを煮込んで魚醤油とココナッツ砂糖で味付けしました。ターメリックの切れ端と粒胡椒も入れて。」
これも妄想。実際は釜揚げうどんだった。
今、潤ちゃんのスマホをテザリングしてもらって、このnoteを書いている。ビールは保冷剤代わりに買った氷を入れて。
この湿気と氷入りビールはヴェトナムである。ビアホイだ。ああ、貝の鍋が食べたい。ハーブたっぷり、酸っぱいタレをつけて。
台風で停電。
そんなときは、思い出すことや妄想が娯楽なのだ。
ひとまず近況報告でした。ご心配、ありがとうございます!