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「おもむくまま3」

数年前に植えたカレーリーフの苗が、3メートル超えの木になった。
カレーリーフの葉の香りは南インド料理には欠かせない。
油でテンパリングすれば、弾ける匂いが食欲をたちまち刺激する。

うちに来たときは10cm足らずだったのになぁ。こーんなに大きくなって。

今年は黒紫色の実がたわわで、「植えたら芽が出るよ」と、みんなにお裾分け出来た。(ついさっき、「芽が出ました!」という報告有り。うれしい)

カレーリーフの根元には、ジャスミンがどんどん蔓を伸ばしている。年に何回も花を咲かしては、その素晴らしい香りを惜しみなく与えてくれる。
その花をハーブティに、甘いシロップに、お供え花に。

カレーリーフを収穫した指でジャスミンを摘み取ると、ふたつの混じった匂いがまさに南インドで、しばし庭に佇んで浸る。

カレーリーフの和名は南洋山椒である。でも葉の形は山椒というよりウルシに似ている。
沖縄の森のほとんどが常緑樹なので紅葉はほとんど見れないなか、ウルシやハゼの木は季節になると真っ赤な葉をちらちらさせる。ウルシの赤はなんとも蠱惑的でひときわ目を引く、ていうか赤いウルシの葉がこちらに目配せしているような視線を感じる。「危ないわよ」って赤信号を送ってくれているのかな。

わたしは子どもの頃、ウルシかぶれで酷い目に遭ったことから警戒心があるけど、漆をかける職人さんは何度もウルシにかぶれながら免疫をつけていく、という話を聞いたことがあるが・・・それって凄まじい。

そんな「毒を制する精神力」を想うと、漆のお椀の艶がいっそうつよく際立つようです。
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突然のスコール。
窓の外が灰色にくすぶって、ざーーーーーーーーーーーっと重いみずおとがズンズン響く。
そのとき切り裂くような、バリバリッドッカーン!
でーっかい雷が落ちた。その音からしてめっちゃ近い。慌てた猫たちがどんどん戻って来るくる。
そういえば末っ子たちは川に海老捕りに。となると気になるのはみずかさ。
矢先、近所の「リマタピオカ店」のセイジくんが「うちのキキ、来てない?」とびしょ濡れで飛び込んできた。
スーパーに行ってくると出かけたまま、どこの店にもいないのだそう。
(結局、いちばん遠いスーパーで雨宿り兼ねてのんびりしてたみたい)
「来てないよ」と言うと、「ヌイ(末っ子)たちはうちにいるからね!」と知らせてくれた。

午後、停電でお店を開けられない(うちはエリアが少し違うのでまぬがれた)セイジくんが、遅めのランチに家族で再度店に来てくれた。
セイジくんが、「俺がキキを探してるとき、同時に海老獲りチーム(スイとショーンとヌイ。スイ&ショーンはセイジくん宅の子)はどこにいるのかと不安になって。ちょうどその時さ、まるで映画「ハルマゲドン」みたいな真っ黒の雲のなかから3人の自転車がこっち目がけてゴーーーーーーッって向かって来てさ、すっげーかっこよかったんだよ!」

おお、背中にどでかい雨雲を背負って登場する子たち。なんだか暗黒世界から復活した使者みたい。

なにより子どもたちの危険察知能力に感心、そして安心してみんなで笑った。

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「2015年、宇宙探査機ニューホライズンズが捉えた冥王星の画像の表面には巨大なが映し出されていたのよ」と、先日ふぇみにゃんからお聞きして、その画像をネットで探して見たら、ほんとうに俯き加減の♡の姿が。
その冥王星の♡が個人的には腑に落ちて、なんとなくしっくりこないままでいた、♡の解釈がようやく落ち着いた。
とはいえ、果たしてこの画像が真実かどうかはわからないって思ってる。
それでも!
「冥王星的♡」というものをイメージをしたときに湧き上がる、桁外れの底抜け感はまさに冥王星なのだ。(って、まるで小泉進次郎さんのような伏線回収)
以来、呪文のように「冥王星の♡」と呟いている。開かない扉があったら、「冥王星の♡」で開くかも知れないし。

そんな「思い込み」を足がかりに、ときに「違ったな」とか「ごめん」とか言いながら、おむすびみたいに自分の輪郭を結んでいきたい。
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家族であたらしく出来たステーキハウスに行った。
食べながら、「うむむ」とみんなで唸る。
そこは老舗のステーキハウスの2号店であるが、あきらかに本店を凌駕していた。
オープンキッチンの厨房をチラと見ると、若い男性が腕を奮っていた。
メニューは本店よりぐっと少ないけれど、とても満足。
かたまりの肉にあまり反応しない末っ子も、ひとくち食べて「うーんおいしい〜」とほっぺを両手で包んでほくほく顔。

後ろの席のファミリーは、お父さん(かな?)が超ビッグなスペアリブステーキを、はじめ人間ギャートルズみたいにガシガシ食べてて、その見事な食べっぷりをもっとよく見たかったけれど、それはきっとやっちゃいけないことだから、今度ぎりぎりまでお腹を空かせた極限状態の長男でその欲求を満たそうと思う。







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