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魔裟斗vs木村“フィリップ”ミノルについて

「昔の格闘技はレベルが低い」

安保瑠輝也vsブアカーオ・バンチャメーク(旧ポー・プラムック)が起こした波紋は想像以上だったのかもしれません。なにせそれまで「昔の格闘技はレベルが低い」と鼻で笑う行為をしてきた者たちが一様に一時的に押し黙ることになってしまったからです。

令和を闊歩する「アップデート推進派」の格闘家たちは「アップデート」という言葉を多用してきました。しかし蓋を開けてみれば本業である格闘技術がまるでアップデートされていなかったというわけです。

口をつくのは「安保が弱かっただけ。ブアカーオが強すぎただけ」というこの試合は令和の例外であるという言葉です。なかなか難しい言葉になってきます。お願いですので、首を垂れますので、あの不釣り合いな肉の重りを見栄のための飾りにしたブアカーオを「強い」などという論調に持っていくことだけはどうかどうか勘弁してください。

そんな中、令和を生きる格闘家の急先鋒ともいえる木村“フィリップ”ミノルが「RIZIN.43」に参戦します。

RIZIN キックボクシングルールというルールらしく、73.kg契約で行うとのことです。対戦相手は ロクク・ダリというコンゴの選手。木村はMMA特別ルールでチャールズ・“クレイジー・ホース”・ベネットに1RでKO負けをして以来、約6年9カ月ぶりのRIZIN参戦になります。

さて、この木村ミノルは前K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者という肩書を持っています。K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級というのは70kg以下で設定されており、つまりこれはかつてのK-1 WORLD MAXとまったく同じ階級ということになります。

つまり、細かいルールの違いはあれど、過去のK-1 WORLD MAXの選手たちと比較し易いということでもあります。

どちらが強いのか、と。

小比類巻貴之、武田幸三、佐藤嘉洋、安廣一哉、HAYATO、山本優弥、TATSUJI、緒形健一、70kgに満たない肉体で奮闘した村浜武洋と山本“KID”徳郁、前田宏行や鈴木悟などのボクシング転向勢、数多くの日本人MAX選手たち。

さらに世界に目を向けるととんでもないことになります。

ブアカーオ ・ポー・プラムック、アンディ・サワー、アルバート・クラウス、ジョルジオ・ペトロシアン、マイク・ザンビディス、ヴァージル・カラコダ 、ドゥエイン・ラドウィック、ジョン・ウェイン・パー、ドラゴ、ジャダンバ・ナラントンガラグ、セルカン・イルマッツ…「触らぬ神に祟りなし」と谷川貞治から苦笑いされてたった1試合で追放されたヨードセングライ・フェアテックス。

そして魔裟斗。

これらの時代を作ってきた70kgの戦士たち、日本の格闘技で熱を生み出してきた70kgの戦士たちを「アップデートされた」技術とパワーでなぎ倒す木村ミノル。

「昔の格闘技はレベルが低い」
「今と昔ではレベルが違う」

それならば対戦してもらいましょう。
ここらで対戦してもらいましょう。

魔裟斗(K-1 WORLD MAX2003・2008世界王者)
vs.
木村“フィリップ”ミノル(第3代K-1 WORLD GPスーパーウェルター級王座)

この試合を完全シミュレーションした結果、
予想を超える結末となりました。それは

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