Kickstarter, PBCという企業体について
Kickstarter 社ミッション
「クリエイティブなプロジェクトに生命を吹き込むこと」
KickstarterのPBC化とその背景
Public Benefit Corporation (PBC)という企業体があります。株式会社であり営利目的の企業でありながら社会や環境に対して具体的な利益をもたらすことを法的に義務付けられた企業形態のことです。
Kickstarterは2015年にPublic Benefit Corporation (PBC)として再編しています。単なる利益追求から一歩進んで、社会的・環境的利益を重視する企業として方針を変えました。
参考文献:PBCとは
Public Benefit Corporation (PBC)は、営利企業でありながら、社会や環境に対して具体的な利益をもたらすことを法的に義務付けられた企業形態です。PBCの主な特徴は以下の通りです:
社会的・環境的目標の追求:企業の利益だけでなく、社会や環境に対する具体的な利益を追求することが法的に義務付けられています。
透明性の確保:年次報告書などを通じて、社会的・環境的目標に対する進捗状況を公開し、ステークホルダーとの透明なコミュニケーションを図ります。
ミッションロック:企業が将来的に他の企業に買収された場合でも、その社会的・環境的目標を維持するための仕組みが整っています。
経営陣の変更
Kickstarterは創業以来、様々な経営陣の変更を経験してきました。創業者のペリー・チェン、ヤンシー・ストリックラー、チャールズ・アドラーが企業の初期を支えましたが、2022年にはエヴェレット・テイラーがCEOに就任しました。テイラー氏はマーケティングとテクノロジーの分野で豊富な経験を持ち、Kickstarterの次の成長段階を導く役割を担っています。この変更により、Kickstarterはより多様なプロジェクト支援やグローバル展開に力を入れることが期待されています。
社会的・環境的貢献
Kickstarterは、税引き後利益の5%をアート関連の教育機関や差別・不平等の根絶に取り組む組織に寄付しています。この「5% Pledge」と呼ばれる取り組みは、以下のような目的で行われています:
教育支援:アートやクリエイティブな分野の教育機関に資金を提供することで、次世代のクリエイターの育成を支援します。
社会的平等の推進:差別や不平等の問題に取り組む組織に資金を提供し、より公平で包括的な社会の実現を目指します。
例えば、2021年には37の団体に対して合計525,000ドルを寄付しました。これらの寄付先は、システム的な不平等の終結や芸術・音楽教育の推進を目的とした団体です。
※そうすると約8,000万円を寄付したことになるので2021年の税引き後利益は約15億円…?
予想される売上と利益
Kickstarterは近年、安定した成長を遂げています。2023年度には、約3.2億ドル(為替150円の場合 売上48億円)の売上を記録し、20,000以上のプロジェクトが成功しました。これにより、約8億ドルの資金がクリエイターに提供されました。今後も、エヴェレット・テイラーCEOのリーダーシップの下、さらなる成長と多様なプロジェクトの支援が期待されます。
Kickstarterの各カテゴリーごとの成功件数と支援額
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