シリーズ・留学を考える [14] - どんな状況になっても自分で生きていける力を身に着ける
昨日の「シリーズ・留学を考える [13] - 自分で考える態度を身に着ける」でも書いたけれど、時代や社会は急激に急速に変化しているし、今日と同じ明日が来るとはもう限らない。
そんなときには、自分で考えて判断して行動することに加えて、もう一つ身に着けておくべき力がある。
それは、どんな状況になっても自分で生きていける力だ。
自分の今いる場所、周りにいる人たち、そして時代は、好むと好まざるとにかかわらず、どんどん変化していく。そのうえ、明日は何が起こるかわからない。今までの感じ方、考え方、方法、マニュアル、基準、常識、計画、そんなものだけに頼って生きていくことは、もうできない。
そうであるならば、時代や社会の変化に応じて、あるいは、どんな時代や社会になっても、自分で生きていく力が必要なのは明らかだ。
以前にも書いたけれど、どんな状況になっても自分で生きていける力とは、具体的には次の4つだと私は思う。
ひとつは、自分で問いを見つける力。次に、異なる環境でも生きていける力。そして、どんな人とでもコミュニケーションがとれる力、最後は、ゼロから何かを創り出す力だ。
誰かから答えを与えられることを待っているのではなく、誰かの問いに対する答えを探すだけではなく、自分から問いを考える。問いを考えるときには、今の状況に対して自分から能動的に働きかけ、情報を収集し、自分で考え、疑問や矛盾を見つけ、原因や方法を探そうとする。そして自ら問うた問いに、自ら答えをだそうと挑む。そんな力だ。
そして、時代や社会が変化している中で、自分だけが変わらずにそのまま生きていくことは難しいことを理解し、自分が変化する必要を認め、どのように変化すればいいのかを考え、そして実際にそのように変化する。成長も変化の一形態だとすると、時代や社会の変化に応じて自分自身が成長すると言い換えてもいいだろう。自分自身が柔軟に成長することで、どんな環境に置かれても生きていくことができる。
さらに、世界がどんどん変わっていき、それが自分が今暮らしている場所や自分自身にも影響を与えるのなら、世界について、その変化について知る必要があるだろう。世界の変化を知るためには、世界中の人たちとコミュニケーションするのが最もいい方法だ。もちろんニュースやデータも重要だけれど、世界は人でできている。世界を作り上げている一人ひとりの人と直接コミュニケーションをすることは、世界を理解する確実な第一歩になるだろう。
時代や社会が急激急速に変化しているのなら、いろんな「もの」が時代遅れになったり使い物にならなくなったり、改善が必要だったりするだろう。誰かが何かを自分のために作って与えてくれるのを待っているだけでは、この急激な急速な変化には対応できない。そうであるならば、自分でゼロから何かを創り出せばいいのだ。もちろん、誰かと一緒にチームで何かを創ってもいい。ゼロから何かを創り出すことができれば、周りの変化に合わせて創り出したものを使って、対応もできるだろう。
すでに昨年まででも、時代や社会は急激に急速に変化していた。そして今年、その状況が一気に加速している。1ヵ月前と状況はどんどん変わるし、1ヵ月後の世界がどうなっているのかもわからない。
そんな世界で生きているときに、じっと座って、じっと黙って、誰かが何かを与えてくれるのを待っているだけでいいのか。与えられたものを批判して、自分は動かずに一日を過ごしていてもいいのだろうか。
今もし何かをしようと思うのなら、まずは、自分で考えて、そして、どんな状況になっても自分で生きていける力をつけることから始めるべきだと思う。
そしてそんな力をつけるためには、つまり、自分で問いを見つけ、異なる環境で生きていき、どんな人とでもコミュニケーションがとれ、ゼロから何かを創り出す力をつけるためには、今いる場所を出て、問いを考える環境に身を置き、それまでと異なる人たちと異なる場所で過ごし、それまで会ったことがない人と深く付き合い、そしてその環境に自分から働きかけて何かを創り出してみる。
そんな経験が必要だと思う。