シリーズ・留学を考える [11] - 留学生の保護と服務規程
ニュージーランドでは、留学生を保護するために「The Education (Pastoral Care of International Students) Code of Practice(留学生の生活保護としての教育服務規程)」が定められている。
これは、国からの、加盟者である教育機関に対する服務規程で、以下の2点「留学生の保護」と「学問上の目標達成と有意義な体験を得られる」を軸にして、国際教育に対する政府の方針を支援することを目的としている。
1. 留学生を保護するために、加盟者にあらゆる面において適正な措置を講ずることを義務づける。
2. 留学生が学問上の目標を達成できるよう支援し、できる限りニュージーランドで有意義な体験を得られるよう尽力する。
この規定では、加盟者(教育機関)の義務として、主に以下のようなことが定められている。
- マーケティングと販売促進
- 提案、入学、契約、保険
- 入国管理業務
- オリエンテーション
- 安全と充足した生活
- 学生サポート、アドバイス、サービス
- 取り消し及び廃業の管理
- 苦情処理の手順
加盟者である教育機関がこの服務規程に違反した場合は、罰則が設けられている。
この規約上の形としては、留学エージェントやホームステイ、寮、などは、加盟者との契約において、服務規程をきちんと守ることが義務付けられている。教育機関は、留学生にかかわる人たちに、この服務規程を守らせる義務がある。
この「The Education (Pastoral Care of International Students) Code of Practice(留学生の生活保護としての教育服務規程)」のことを、「留学生を担当する者のバイブルだ」と言う留学担当者もたくさんいる。もちろんニュージーランドの全ての留学生を受け入れる学校の担当者は、この規定を熟読して理解している。
たとえば留学生のホームステイについて何か問題が起こったときには、私たちも学校の担当者と一緒に、まずはこの規定を読み返す。その問題はこの規定に反していないかを最初に確認する。
また、留学生が希望することを学校が受け入れられるかどうかを考えるとき、この規定に沿っているか確認することもある。規定に反するような、たとえば18歳未満の留学生の生活上の安全が脅かされる可能性があるような希望は、規定を理由に残念ながら受け入れられないこともある。
こうやって、国が、留学生を受け入れる教育機関に対して厳しい留学生保護の規定を定め、それを守らせることにより、留学生たちは安心してニュージーランドで留学生活を送ることができるのだ。
「The Education (Pastoral Care of International Students) Code of Practice(留学生の生活保護としての教育服務規程)」