コロナがなくても先は見えない
新型コロナウイルスの感染拡大で、おそらくすでに世界は変わってしまった。今後はもうもとの世界には戻らない。
こんなことを言うと、この先いったいどうなってしまうのだろうと不安になる人も多いだろう。
不安になるのは、先が見えないからだ。1年後、半年後、そして明日の世界、自分の生活がどうなるのかわからない。だから不安になる。
でも考えてみると、こんな状況でなくても、実は先など見えてなかったのだ。
昨年の今頃、新型コロナウイルスの感染拡大などまったくなかったし、誰もこんなことになるとは知らなかった。知らなかったから今のような不安はなかった。
その時も誰も先など見えてなかった。
これから先どうなるかわからないと不安になるのは、世界が変わってしまったことを知っているからだ。これからどんなことが起こるかわからないことを知ってしまったからだ。
でも、コロナがあってもなくても先など見えない。
今までも先などまったく見えてなかった。未来が見えている人などどこにもいなかった。単に今日と同じ明日が来るとみんなが思い込んでいただけだ。
そう考えると、先のことを考えてその未確定さに不安を覚えるのは、コロナは関係ないだろう。だって、コロナ以前から、先は見えてなかったのだから。
だから今は、少なくとも、ありもしない未来を想像して、その想像を現実のように思い込んで、不安になる必要はまったくない。
今までと同じように、誰も知らない明日がやってくるだけなのだから。