おっさんレンタルを利用しました。
Summary
7月の連休と8月のはじめに、「おっさんレンタル」から2~3時間日本人壮年男性のお時間をいただきました。
このエントリはその時の記録です。
My environment
私は2001年頃から米国に暮らしていて2015年に帰ってきました。
現在はフルリモートで働いているため、職場の人とは主にチャットでコミュニケーションをとります。
職場の人に日本人らしい保守的な方は少ないと感じます。やり取りしない人にはもしかしたら、そんな人もいるかもしれません。
家族は外国人です。夕方7時から30分ほどNHKの英語吹替ニュースつけて日本のニュースチェックはしていますが、基本的に見ているTV番組はTrevor Noah や、Bill Maher、Stephen Colbertなど。つまり、家庭内では日本語を発声しないし、聞くこともありません。
昔ながらの友人は時折コンタクトを取りますが、しょっちゅうではありません。友人たちはクリエイターか個人事業主が多めです。
Motivation
なぜ私が知らないおっさんとお話ししたいと思ったのか。
私の生活から遠い存在だからです。
最近仕事を私の仕事が変わり、日本のお客様とお話しする機会が発生しました。若い方も、歳重ねた方もいらっしゃいます。前者は後者の作った規制の中で窮屈な思いをされていて、後者は時代にキャッチアップしようと四苦八苦しているように見受けられます。
どちらも日本の保守的な「おっさん」たちが作った社会で生きています。
私自身も「おっさん」と同世代なのですが、どちらとも遠い生活をしていますし、正直直近20年のうち15年日本社会に参加していないので、どうしてこうなったと距離を感じることが多いです。
Preparation
おっさんエントリの「おっさん」には会う前に以下のことを伝えていました。
- 私はCloudの仕事をしている。
- 海外生活が長く日本のお客様の気持ちを理解したい
おっさんエントリの中からは、ガテン系や、30代ではなく、できるだけIT用語はわかりそうな方をチョイスしました。ガチ同業の人は避けました。
おっさん1: 元電算室課長の特許コンサル、Aさん
関内のルノアールでお話しをききました。
私からは、コミュニケーションで伝わっていないと感じることが多いことと
相手の言っていることを私が拾い切れていなかった感じることがある、という話をしました。
Aさんは仕事上、発明をされる新進的な方々とお話しますが、一方で特許庁という保守の塊のような団体ともお仕事をしています。
私は、保守的な人たちはどのような考えで新発明を見ているのか、という話をしてくださいというお願いをしました。
以下はAさんによると、の話です。
資産をどこかに保管します。
1番安全な場所は家の中のタンスです。
2番目は、名前の通った銀行です。
3番目は、官公庁です。NTTとか水道局を自動引き落としするのは許容範囲です。全て紙に書かれますので、目で見れます。目で見れるので信用できます。
何重もの人のチェックをしているので、失敗しないという安心感があります。
資産を預ける方法の選択肢として、ずっとさがって最後のほうにクレジットカードがあります。
インターネットは、このクレジットカード会社程度の信用しかありません。
紙に書かれていないため、目で確認できないし、なりすましがすぐにできるからです。
新しい発明は、便利に見えて、何かのなりすましなのです。
…何かのなりすまし、悪魔とかですかね?
もちろん、Aさんがこの意見を持っているわけではなく、Aさんが知っている保守的な人たちがそう考えている、という話です。
私の印象に残っているのは「IT化しなくても、日本は今までうまくやれてきている。現状維持が一番」という考えがある、ということでした。
それを聞いたときの、私の中の心の声は
「今までうまくやれて来てる、ように見えているのは一部の人にとってだけ」で、
「一部の人が上手くそれを広告してきた。彼らの利益のために」
なので、
ぜんぜん今までだってうまくやれて来ていない。
それゆえ変化は必要です。
★Aさんに勧められた本
還暦からの底力―歴史・人・旅に学ぶ生き方 (講談社現代新書) by 出口 治明
最後のほうでおっさん代3千円払おうとすると、「いいから」といって、コーヒー代にしてしまいました。お時間をいただいたしので受け取ってください、とがんばりましたが、そのようにしたいとのことでした。
趣味で若い人を助けになるなら、と週末の時間を使っているそうです。
・・・なんか若くなくてすみませんという気持ちになりました。
しかし、中には若い方で、もう死にたい、と言っている方も相談に来るそうです。
年寄りが作った世の中で、若い人が死んじゃうのは間違っている。人類が滅亡にむかってしまいます。
滅亡した世界で、そうまでして年寄りが守りたかったモノ達は、タンスの中に居続けるのでしょうか。
おっさん 2:元エンタメ業界の現在大手町のインフラ屋、Bさん
横浜の星野コーヒーで2時間お時間をいただきました。
CEOには儲かりますよ!と訴えかける、マネージャーには上手く回るようになりますよ!と訴えかける、と、同じことでもハイライトを付ける所を変える、というコミュニケーション方法の話していただきました。
目で見えるのものがCEOには受けが良くて、As Is(現在)とTo Be(未来)の視覚化するといい、だからダッシュボードとかいいよ、という話をしていただいたとき、あれ、前回も視覚大好き話は出たっけな、と変な共通点があって笑えました。
そんな視覚大好きな日本は、一方で、ブラックボックスを作りたがります。
SI業に業務の一部を渡してしまって、そこをブラックボックスにしてしまいます。
業務のIT化にしても、何をどこに計上するか、は会社の方針により異なり、これは会社の運命を変えて、社員のPC、業務用資産、営業用資産など、計上するところによりコストの定義が会社によりまちまちになる、というお話をいただきました。
すっごいな日本の会社。Regulationで、そういうの定義されているもんだと思っていたけど、
わりとそれぞれ定義次第なのかしら。
とか考えていました。
★Bさんに勧められた本
京セラ創業者、稲盛和夫 の本
このあたりかしら?また、職務会計の本も読んだ方がいいよ、とアドバイスいただきました。はい。技術本が積読なので、そこまでいくまで長くかかりそうですが、繰り上げたほうが良さそうかな。
最後のほうに明らかになったのですが、Bさんは私の元上司とはFacebookでつながっていましたし、多くの共通の友達がおりました。
まあ、業界近いとそういうもんですね。
Music of this article
”No tomorrow. Take a chance!”
最後に、この経験の際に頭の中に鳴った曲を添付します。ケッダッセェと感じたらごめんなさい。ガン無視してください。元 Savatageの曲です。