犬を飼うということ
Summary
コロナ禍で新規で犬を飼いだす方も多くなっていると聞きました。その是非や影響は個々のケースによるので言及しません。
一方、体感として残念ながら、犬に関する知識が乏しいと思われる人や事象を、以前より頻繁に見聞きするようになりました。
犬は子供と同じです。家にお迎えする前に飼い主は知識をつけないといけません。子供を学校に行かせるように、犬も学校に行かないといけません。
大抵の犬学校では、犬のしつけはもちろんですが、飼い主にも正しい知識を提供しています。しかし、残念ながら日本では、「犬を飼ったら、Handler(犬の飼い主)と一緒に学校に行くべきだ」という考え方が根付いていないため、知識のない、さらには間違った知識を持った犬の飼い主が発生しがちです。
偉そうで申し訳ないですが、以上がこの記事を書いた背景です。
犬は四足歩行の獣である
犬の自然な移動方法は四足で歩行する、です。
一方、日本に帰ってきたとき、多くの人が犬を抱っこして歩いていることにびっくりしました。
これは、日本の施設で「だっこすれば犬OK」というポリシーを掲げるのが悪い影響を与えていると思います。
たしかに Toy breed(小型犬)は抱っこでコントロールできるかもしれません。一時的にはね。
でも、人間のお母さんは、コントロールしやすいという理由で、人間の健康な子供を小学校あがってからもベビーカーで移動したりはしませんよね。発達に影響が出ますよね。
同じように、犬も健康な体の発達と心の発達、両方に影響が出るので、できるだけ自然に4足歩行で移動させてあげてください。犬は抱っこ人形ではありません。
犬はPackで考える
犬は人間とは違うフレームワークで周囲の環境を理解します。犬はPack(群れ)のことを考えています。飼い犬にとっては、飼い主はPackの一員です。
犬のためにも飼い主がリーダーになっていることが一番ですが、飼い主が弱みがあるときは、犬がリードをとりたがります。たとえば、家庭内に問題のある場合とか。
よく聞くのは、そろそろ子供が抱っこしないでいい年になったお母さんが、旦那様が忙しくて家庭を顧みない状況で、誰かに必要とされたいがために、Lap dogs(膝に乗るサイズ小型犬)をホームセンターのガラスケースで目について購入した、というパターンです。
そんな犬は、壊れた家庭=Packを引き継いでしまい、お母さんを守ろうとします。責任重大で大変ですね。
大変な犬にこそ、学校に行っていきたいのですが、悲しいことに、大抵こういった状況の犬は学校に行かせてはもらっていないのが現実のようです。
犬のコミュニケーション
犬が嬉しい時しっぽを振ることはよく知られています。
次点で、まいった!ゴメンナサイ!というとき腹をみせるというのもよく知られていますね。
しかし、Noをどう表現されているか、知られていますでしょうか。
これは、うちに来ているBark Busterさんという犬の家庭教師の方から教わりました。
1.うなる
2.歯を見せる
3.首ねっこを口で押さえつける
こんな感じです。
見慣れていない方には、怖いと感じるかもしれません。でも大丈夫。Bark Busterさんによると、3.のコミュニケーションで怪我をすることはめったにないそうです。
ちなみに、犬は触ってみるとわかりますが、首の周りの皮が厚いのです。
仔犬の頃には母犬が運搬にも使ったりしますね。
犬の飼い主が始末してたら後ろから近づくな
犬の散歩をしているとき、おしっこやうんちをします。なので、飼い主はその始末をしなければいけません。
他の犬の飼い主が、おしっこやうんちの始末をしている状態でしたら、決して犬と一緒に後ろから近づいてはいけません。ずっと後方で待ってください。
なぜかというと、このとき犬は、飼い主が隙だらけの状態であることを知っています。後ろから犬が近づくと、先行の犬は、後ろから近づく犬を自分と飼い主のテリトリーを侵すものとして、飼い主を守る行動を起こすからです。
具体的には、↑上の「No」コミュニケーションです。見慣れてない方には怖いと感じるでしょうから、未然に防ぐならそのほうがいいですね。
しめ。
以上です。沢山あって大変、と思われるかもしれません。
そうなんですよー。犬を飼うことは大変なことです。
正直言って「犬の飼育」は、免許制にしたほうがいいんじゃないの?と思うことも多々あります。
一方で、現在シェルターにいる子たちのことを考えると、一人でも多くの人に犬を飼ってほしいと思います。
犬は家族の一員です。家族が欲しい方はぜひともAdoptionを検討してもらいたいです。また、動物の生態を知る絶好のチャンスですので、このチャンスを生かして新しい知識を得てください。
ドッグセラピーというメソッドもあることですし、犬を飼うと心を広がりますよ。