歯列矯正の話 始まり
この話は歯列矯正をしたいけれど
高すぎて一生できない、
マウスピース矯正も嫌だ、もしくは
それ払えない、ローンも組めない
そんな私のような人に向けた話
こんな私でも始められた理由の話
歯並びがコンプレックスだった
自分の歯並びは壊滅的とは
言えないほどではないのだが
決して褒められるものではなかった
幼少期から鏡を見るたびに
ため息をつくほどには
嫌であった
ただ、壊滅的ではないので
許容して過ごしていた
他人から歯並びについて
指摘をされたことはない
(真意は知らない)
何よりまず先立つ費用がなかったから
なす術がなかった
実家は貧しく歯列矯正と言う
存在を知らなかったと思う
親は田舎者で意識が低かった
子供に歯列矯正を受けさせる気など
考えたこともなかったと思う
矯正にかかる総費用を教えたら
きっと泡を吹いて倒れたろうし
もし頼もうものなら激怒されたと思う
思春期真っ盛りの高校時代
同級生と帰路を歩いていた
その子は表面にワイヤーを
装着しており、その姿を見て
不思議な気持ちになったのを
覚えている
自分にとって歯列矯正は
身近ではなく、
自分がやるなど考えもしなかった
奇異な装置がついている口元に
むしろ少し違和感さえ感じていた
それでも同級生から歯並びを
直してることを聞かされて
少なからず興味を持った私は
いくらくらいするの?と不躾に
聞いたのを覚えている
自分でも出来る範囲ならばやって
みようと考えたのかもしれない
同級生は大体100万位かかる
みたいよ、親に頼んでみなよと
なんでもない風に言った
それを聞いた私は
ああ…そうなんだ…と
返答するしかなく
自分には絶対無理だなと
絶望したのを覚えている
親には聞くまでもない
頼むこともできない
そんな大金があるわけもなく
また、キレられるのは間違いなかった
歯列矯正の価値など家族の中に
わかるものは1人もいないだろう
親は男片親だったせいもあるが
娘に配慮をしてくれるタイプでは
なく、酒に酔っては暴れるタイプの
暴君だった
服はほとんど買ってもらった
記憶がなく毎月の生理用品も
子供の頃から自分で買っていた
歯列矯正などおよそ理解してくれる
家ではなかった
私の歯並びは中途半端である
上前歯の3番の位置に一本、
八重歯がありその横の2番の歯は
後ろにズレている
また下の歯1番二つが傾いており
所謂捻転歯となっていた
これら度合いはそれぞれ人により
あると思うのだが
八重歯も捻転歯も病むほど見た目ま
機能が酷いかと言うと
そうでもないのが実情だった
下顎よりも上顎がほんの少し
前に出ている関係で
大笑いをしない限り下の歯が
見えることはなかった
気になるのは
八重歯と後ろに下がった2番の歯で
支障を来たすことがあるとすれば
八重歯が他の歯よりも
着色しやすく盛り上がって見えること
下の捻転歯に繊維系の食材が
引っかかりやすいこと
それら嫌ではあったが基本的に
お金もなく、また自身で貯めて
実行するほどの能力もなかった為
この歳まで放置して生きてきた
綺麗な歯並びにはなりたかった
恥ずかしいと言う気持ちもあった
子供の頃、まだ乳歯が生え変わるか
生え変わったくらいの頃
下の歯が捻れているのを見て
恥ずかしかったし、
なんでまっすぐにならなかった
のだろうなぁと思っていた
どうやれば治るのかも
子供心に考えたが
当時は矯正の知識などもなく
歯も後ろに下がってしまっているし
下の前歯は捻れて生え隣の歯との隙間が
ないので歯を元に戻すことなど
不可能だろうと思った
子供ながらに歯を元の位置に
戻しても収まるスペースがないな…
など無意識に考え絶望していた
どこからか得た知識で
子供ながらに八重歯は抜かないと
いけないと聞いていて
今考えるとそれは半分合っていて
間違っているのだが
やはり小学生の頃に
矯正をしていた子がいて、その子が
八重歯は抜くんだよと言ったのを
なんとなく覚えていたのだ
勿論当時の技術と現代の矯正技術では
進歩も全然違うだろうし
その当時の自分の理解と
その子が言った内容は相違があったの
かもしれない
けれど子供ながらにそれを聞いた
私は八重歯をゴリっと抜き
ぽっこりと穴が空いた血だらけの
口の中をイメージしてしまい
とても恐ろしくてそれ以上考えない
ようにした
こんな歯に生まれたのが悪いのだ
そう考えた
今でも歯列矯正では抜歯矯正がある
ので、恐らくその子はそれを言ったの
かもしれない
単純に見た目の悪い歯を抜くという
イメージで捉えたので中々前向きにも
なれず、
そもそも費用もあるわけがなく
貯めようとすると努力もしなかったので
一生私には歯列矯正などできるわけが
ないと諦めていた
医療ローンのことは早くから
調べていた
しかしこれも結局は物凄く高いことが
わかり難しかった
仮に歯列矯正の費用が80万だとして
分割を組めても60回くらいだろうか
分割内で全てを支払い終わらせねば
ならず最初か最後の支払い時にかなり
まとまった金額を支払わないとならない
それでは私には支払えない
ローンの審査も必ず通るとも限らない
また実際矯正が始まるまでの
診察費や検査費などもとても高いので
とにかく雲の上の世界の話と思って
いきていた
部分矯正のことも考えた
とにかく八重歯と下の歯の捻れ
さえ治れば他は問題がない
なんとかここだけ直すことは可能
かのか調べたりもした
今私は実際に歯列矯正をしていて
表側ワイヤーで矯正が進んでおり
ゆくゆくはスクリューもいれる
予定だ
抜歯非抜歯はまだ決まっておらず
様子を見て決めていこうという
計画になっている
先生に全信頼を置いているので
言われるがままに任せている
だからこそ思うのだが、部分矯正で
八重歯だけを、捻転歯だけを
直すことなんて恐らく不可能だ
なぜなら先ほども書いた通り
スペースを確保しないと歯を戻す
ことほできない
スペースを空ける為には
全ての歯を動かす必要があったからだ
続く