#バンもんらぶらぶマウント

 地元にあるライブハウスにて開催されたライブに参戦するのは、10万26年生きてきたというキャラ設定を設けてから初の出来事である。しかもそのライブが、私の大好きなバンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIのライブの第1部であった事は、一生の思い出となる要素の1つであった。
 会場となった小樽GOLDSTONEは大正4年、日本の資本主義の父として後に語り継がれる事となる実業家・渋沢栄一が、小樽にてニシン漁にて財を成した実業家・遠藤又兵衛から購入し、現在では「旧澁澤倉庫」の名称で知られている歴史的建造物である。
「ここが旧澁澤倉庫か・・・」
 GOLDSTONEへたどり着いた私は、開場まであと数分程の時間が余っている事もあり、その間に港に停泊中の船やGOLDSTONEの外観を撮影する事により暇を潰し、開場時間になると入口付近にある長い行列に30分程度並び、私は会場へと入るのであった。
「うう〜寒っ・・・!!」
10月の上旬とはいえ、海から吹いてくる風ほど寒いものはない。しかし、この日は露出度が少し高めの服を着たもんスターも数名来場していた事もあり、きっと彼女たちは試される大地にある港町の海風を直に浴び、本当に試されていたのだろう・・・
 公演開始前、私は物販コーナーにてバンもんのメンバーそれぞれのグッズの詰め合わせセットを購入し、推しとチェキが撮影出来る特典を習得する事が出来た。推しメンはベース担当の望月みゆ(みゆちぃ)であり、私はもちろんみゆちぃとのチェキ撮影のために特典を求めたのである。
 この日、当初は彼女と来場予定であったが、彼女は体調を崩してしまい、私1人で来場する事となり、チケット代の返金は不可能であったため、彼女の分のチケットの料金は推しへのチップとなった。その彼女へのお土産として、私はグッズの詰め合わせセットを購入し、後にプレゼント用の袋に詰めて渡す事を考えていた。詰め合わせセットを無事購入出来た私は、GOLDSTONEにて購入したコーラを飲みながら、開演時間を待機していた。
 そして、待ちに待っていたバンもんのライブが、私の故郷にあるGOLDSTONEで遂に始まった。
「私たち、ノーリミット ラブアンドピース バンドじゃないもん ! MAXX NAKAYOSHIです。よろしくお願いします。」
メンバー全員、とにかく可愛すぎる。中でも、我が推しのみゆちぃはとびっきり可愛すぎる上に、鍛え上げられた腹筋に私は物凄く萌えたのであった。
「なんでみゆちぃはこんなに可愛くて、腹筋よきよきのよきすぎるんだよぉぉぉぉ!?」
 第1部でのバンもんはアイドル編成であり、私の推しであるみゆちぃの衣装はチアリーダーのコスであった。Twitter等のSNSに掲載された画像や、YouTube等の動画サイトやテレビで観る推しも、もちろん可愛くて尊い。しかし、生の推しは更に可愛くて萌えの度数も倍増していた。そして何より、推しは腹筋が割れている。生で見る推しの腹筋は、世界一尊い。物凄く格好良い上に、その萌えはまるで天狗山や羊蹄山を通り越して、富士山のように日本一であり、エベレストのように世界一である。推しこそ日本一、推しこそ世界一、推ししか勝たない世界線を私は生きていると、この日改めて感じたのであった。
 
 
 

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