【きちnote】コミュニケーションをとるうえで気をつけたい5つのポイント。出発点を間違えると話はこじれるばかりだ
先日、「指導者と保護者の関係性をどうすればよりよくすることができるのか」というテーマでWEB講習会を開催した。
指導者だけではなく、保護者の方にも参加いただけたことで、グループトークではとても深い話をすることができたのではないかと思う。
そんな中でとても印象的だったのは保護者の方々からの言葉だ。
「『これってどういうことなのかな?』とか、『なんでこういうことをするんですか?』というのがあっても、指導者の方に聞きにくいというか、話を聞ける雰囲気にないというか。
低学年で試合にあまり出ていない子がいても、『高学年になったらどっちみちそうなるから』という”先輩保護者のアドバイス”で押し切られてしまうみたいな。
気持ちがすっきりしないということはあります」
我が子を預ける保護者は、指導者にお任せしたほうがいいというのはわかっている。でもだから質問をすることもできないというのはおかしい。
「いつでも聞いてくださいよ」
と連絡をしたらそれでおしまいではなくて、ちゃんといつでも聞けるような空気感や関係性を作らなければならないのだろう。
「何も言ってこないから大丈夫」
そう思っている指導者の方も多いかもしれないが、言ってこないのではなく、そもそも言えないような雰囲気になっていないだろうか。
問題がないと思っているのは指導者サイドで、保護者サイドは暗黙の我慢を強いられていないだろうか。
もちろん逆もそうだ。
保護者は大丈夫だと思っていやっていることを、指導者サイドが「どうしたもんか」と頭を悩ませていることだってたくさんある。
空気を感じて、空気を読んで、暗黙の了解に任せることも必要だけど、それだけを頼りにするのはしんどい。
互いにコミュニケーションをとると関係性がなあなあになるとか、癒着や忖度のようなものが生まれるからダメという人もいるが、「それはコミュニケーションをとるようになったから」せいではないだろう。コミュニケーションを取り合うというのは相手の言うことすべてを受け入れるということではないのだから。
ではコミュニケーションをうまく取るための注意点とは何だろうか?
とその前にまず考えるべきは、なぜコミュニケーションがうまくいきにくいということが起こるのかだろう。
お互いの立場や関わり方、そのことへの考え方や視点、目的や方法論が違うということを認知しないままに、話を進めていってもなかなか着地点にたどり着けない。
今話しているテーマが何かを理解する
現状の問題点がどこにあるのかを理解する
考えるべき質問を理解する
相手の立場を理解する
相手の見解を理解する
などなどこうした作業を丁寧に互いにしていくことで、「では、これからどうすればいいか」の糸口をやっと手繰り寄せることができる。でたいていの場合は、このあたりのポイント度外視で話を始めるので、乱暴な話、複数人間がそれぞれ全く別の問題を解きながら、一緒の答えを出そうとしてしまう。
なぜ、なんのために、どうやって。
まずはそのあたりを整理したうえで話をすることが求められる。
あと意見が必ずしも完全に一致することだけが正解ではない。そうすると極論で話が進んでしまい、お互いプラスにならない話し合いで終わってしまうことが多いからだ。互いがある程度納得できるところをコミュニケーションを介して見出していく。そうした能力は生きていくためにもとても重要だろう。そして確かな力とするためにも、小さいころからの経験がやはり必要なのだ。
上手なコミュニケーションには、互いのリスペクトが欠かせない。相手の意見を受け入れ、そのうえで自分の意見を口にする。そして新しいアイディアを協力して生み出す。
そんなやり取りを大人が率先してやる環境があったら、そうした風景を日常から見ている子どもたちもまた、自発的にコミュニケーションを大切に生活をするという流れにもつながるはず。
今回は指導者と保護者の関係性で取り上げたこのテーマだが、大人同士でも、職場でも、家庭でも、学校でも、どこでも尊重されるべき大切なテーマなのだ。
問題が起こることがある。それは起こる。それぞれいろんな意見や価値観があるのだ。どれがいいとかではなくて、その中でどうやり取りをしていくのかのほうが大切で意味がある。
だからそうしたときは、ふっと息を吐いて、ゆっくりと落ち着いた雰囲気の中で互いに意見を出し合える場を作ってみてはいかがだろうか。
▼ WEB対談のお知らせ
12月18日(金)に池上正さんとWEB対談を行います。育成指導者としてどんなことに気をつけるべきか、というテーマをスタートに、サッカーの話だけではなく、子育て、教育、普段の習慣について話を広げていくつもりです。
現在サッカー指導者の方のみならず、バスケットボール関係者、学校の先生方、保護者の方々といろんなジャンルとカテゴリーの方に申し込みをいただいています。
大人として、子どもたちと向き合う自分たちはどんなふうに考えて、どんなふうに取り組んで、どんなふうにコミュニケーションをとっていくことが望ましいのだろう。
そんなことをじっくり考える機会になると思っています。
ご興味ある方はぜひ下記フォームからお申し込みください。
・「うまく申し込みができない」「質問がある」
いつでもkichinosuken@gmail.comのほうまでお問い合わせください。
よろしくお願いいたします。
中野吉之伴
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