【きちnote】益子直美さんと池上正さんとのWEB対談を終えて
日本ではとかく考えが極論化しやすく、AかBかどちらの意見が正しいかみたいな論争が多い印象を受けます。でも僕らが生きてる社会ってそんな大枠だけで語れるものではないですよね。
僕らが議論すべきは「どうすればそれぞれが可能な限り幸せに、自分と社会と人生と向き合いながら、安心に安全に生きていけるか」がスタートにあることなのに、そこがないまま言い合いになることも少なくない。
育成指導というカテゴリーであれば「どのような環境でどのような経験を積み重ねていくことで、子供達が将来的に選手としても、人間としても自立してやっていけるように成長するのか」という視点が欠かせないわけです。
今上手いかどうか、勝っているかどうかなんて、人生においてどれほどの意味と価値があるものでしょうかというのを僕らは問い続けなければならないと思うんですね。
日本でももっともっと「子供の成長をファーストに考えた」子供ファーストの考えが浸透してほしいものですよね。プレーヤーズファーストとか子供ファーストといいながら、形式が先に来てしまっていて、本質スタートになっていないことが多いですから。
日本社会は基準線がある意味明確すぎます。「これ以上できなきゃダメな人」っていう。その基準値を決めたのはだれで、そこにどんな意味があるかもほとんどの人はほとんどわかっていなくて、でも落第者にはなりたくないし、させたくないから必死にそこを守ろうとする。
それで救われていると思っている人も一定数いる一方で、自己肯定感が失われた若者が社会に増え続けている事実もありますよね。今のままでいいはずはないけど、だからといってやり方を変えるのは心配だというのが社会全体に萬栄しているのが気がかりです。「遊び心」がない世間では、心にゆとりをもって豊かに人生を送っていくのは難しいわけですから。
今までのやり方として生み出されてきた大人というのは、社会における対応力/適応力がある人というわけではなく、本来あるべき価値観に鈍くなった人が多いのではないか、と僕は思っています。歪んだものを仕方ないと受け止めて心にプロテクトを張ることで現状が改善されることなど何もないのですから。
池上さんはこれまでの歴史の中で行われてきた数々の取り組みは「役割を終える」という表現で伝えているようにしているといっていました。そして「役割を終える」というのをポジティブにとらえられる大人の仲間を増やしていきたいですね。
今回の池上さんと益子さんのお話からは、そのための大事なヒントがたくさんあったのではないかと思います。自分の行動を自分で正しく評価するのはやっぱり難しいから、信頼できる第三者からの声に耳を傾けられる機会があるといいなって思います。WEB対談でも多くの方が参加してくださって、いろんな質問があったり、チャットに感想を書いてくれたり。そうした中で気づいたり、感じたり、考えたりできる時間をもって、整理できると素敵ですよね。そうした横のつながりがいろんなところで有機的にからみあっていったら、きっとポジティブな化学反応がいろんなところで起きてくるはずです。
大人が楽しくスポーツをする姿を子供たちに見てもらいたいし、一緒に感じてもらいたいですよね。体中で「このスポーツはこんなに楽しいんだよ!」というのを伝えてくれる大人がもっともっと増えてきてほしいですね。
当たり前に大事なものを当たり前に大事と言える大人が増えてくることを願っていますし、そのためにも僕は僕のできるところから活動していきたいと思っています。
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