自分の気持ちを守る「感情オフモード」について
みなさんこんにちは!今日は「感情オフモード」というちょっと不思議な言葉について、わかりやすくお話ししていきたいと思います。
「感情オフモード」って何だろう?
「感情オフモード」という言葉を初めて聞いた人も多いかもしれませんね。これは、友だちやまわりの人との関わりの中で、自分の気持ちをあえて少し引いて、深く感情を出さないようにする状態のことをいいます。
例えば、こんな場面を想像してみてください。クラスの友だちと好きな給食のメニューについて話していて、あなたは「カレーライスが一番好き!」と言ったとします。でも、その友だちは「えー、カレーなんてまずいよ。好きな人の気持ちが分からない」と言ってきました。
こんなとき、「なんで分かってくれないの!カレーのどこがまずいの?」と熱くなって議論を続けるのも一つの方法です。でも、いくら話しても「カレーはまずい」という意見を変えてくれそうにないなと感じたら、「そっか、人それぞれだね」と軽く受け流して、深く感情を動かさないようにする──これが「感情オフモード」なのです。
どうして「感情オフモード」が必要なの?
わたしたちは毎日、いろんな人と話したり、一緒に遊んだり勉強したりしています。その中で、意見が合わないことや、ちょっと嫌な気持ちになることもありますよね。
もし、そういう出来事のたびに強く感情を動かしていると、とても疲れてしまいます。「なんであの人はあんなことを言うんだろう」「どうして分かってくれないんだろう」と考え続けるのは、脳みそにとってもからだにとっても大変なことなのです。
「感情オフモード」は、あなたの大切な元気や気持ちを守るための、ちょっとした秘密の技のようなものです。使うべき場面で上手に使えれば、自分の気持ちを傷つけずに済み、大切なことに集中できるようになります。
「感情オフモード」はいつ使えばいいの?
では、この「感情オフモード」はどんなときに使えばいいのでしょうか?いくつか例を挙げてみます。
話し始めてすぐに「この人とは意見が合わないな」と感じたとき
何度説明しても「うん、そうかもね」と流されてしまうとき
相手が自分の意見ばかり言って、あなたの話を聞いてくれないとき
言い争いになりそうで、それが解決につながらないと感じるとき
こういう場面では、「ここでがんばって話し合っても、お互いの考えは変わらないかも」と判断して、あえて深く感情を動かさないようにするのが賢い選択かもしれません。
「感情オフモード」の使い方
では、具体的にどうやって「感情オフモード」を使えばいいのでしょうか?
1. 早めに気づく
会話や出来事の中で、「あれ?この人とは話が通じなさそうだな」と感じたら、それが「感情オフモード」に切り替えるサインです。早めに気づくことで、自分の気持ちが傷つく前に対応できます。
2. 心の中でスイッチを入れる
「よし、ここからは感情オフモードで」と心の中で決めましょう。深呼吸をして、自分の気持ちを少し引いた位置に置くイメージをするといいかもしれません。
3. 必要最低限の反応をする
完全に無視したり、冷たくしたりする必要はありません。「そうなんだね」「なるほど」など、シンプルな返事をしながら、心の中は平静を保ちましょう。
4. 自分の気持ちを後で整理する
その場では感情を抑えていても、後から「あのとき、ちょっと悲しかったな」「あの言葉は嫌だったな」という気持ちが出てくるかもしれません。そんなときは、日記に書いたり、信頼できる人に話したりして、自分の気持ちを整理しましょう。
「感情オフモード」を使うときの注意点
「感情オフモード」は便利な技ですが、使いすぎると自分自身の気持ちから離れすぎてしまうこともあります。ここで気をつけたいポイントをいくつか紹介します。
1. すべての人間関係で使わない
大切な友だちや家族との関係では、お互いの気持ちをちゃんと伝え合うことも大事です。「感情オフモード」は、本当に必要なときだけ使いましょう。
2. 自分の気持ちを無視しない
「感情オフモード」は、その場で感情を表に出さないだけで、自分の気持ちを完全に無視するわけではありません。後から「あのとき、こう感じた」と自分の気持ちと向き合う時間も大切です。
3. 長い時間使い続けない
ずっと「感情オフモード」でいると、本当の自分の気持ちが分からなくなってしまうことがあります。一時的な対処法として使うのがおすすめです。
「感情オフモード」の使い方 - 実際の例
ここで、「感情オフモード」を使う具体的な例を考えてみましょう。
例1:遊びの約束
休み時間に「今度の日曜日、公園で遊ぼう!」と友だちを誘ったとします。でも、その友だちは「うーん、その日は無理かも。他の人と遊ぶ約束があるし」と言いました。
あなたは少し残念に思いましたが、「じゃあ、また今度ね!」と軽く返して、その気持ちにあまりとらわれないようにしました。これも一種の「感情オフモード」です。深く傷ついたり、「なんで私じゃなくて他の人なの?」と考え込んだりせずに、次の機会を待つエネルギーを温存できます。
例2:グループ活動での意見の違い
クラスのグループ活動で、あなたは「海の生き物について調べよう」と提案しました。でも、グループのリーダー的な子が「いや、宇宙について調べるほうがいいよ」と言い、他のメンバーもその意見に賛成しました。
あなたは海の生き物に興味があったので少し残念でしたが、「みんなが宇宙がいいなら、そうしよう」と「感情オフモード」に切り替えました。自分の意見を押し通そうとせず、グループの決定を受け入れることで、活動をスムーズに進められます。
「感情オフモード」と「我慢」の違い
「感情オフモード」と「我慢」は似ているようで、実は違います。
「我慢」は、感情を抑え込んで、心の中でもモヤモヤしたり、イライラしたりしている状態です。これが長く続くと、心が疲れてしまいます。
一方、「感情オフモード」は、「この状況では深く感情を動かさないほうがいいな」と自分で判断して、あえて感情の投入量を減らしている状態です。我慢とは違い、「これは自分を守るための選択なんだ」という前向きな気持ちがあります。
みんなの心の中には感情スイッチがある
実は、誰の心の中にも「感情スイッチ」があります。このスイッチを上手に使えるようになると、人間関係でのストレスが減り、より楽しく過ごせるようになります。
でも、スイッチの使い方を学ぶには練習が必要です。最初は難しいかもしれませんが、少しずつ試していくうちに、「あ、このときは感情オフモードにしよう」と自然に判断できるようになるでしょう。
自分の大切な気持ちを守ろう
わたしたちの感情はとても大切なものです。楽しいとき、嬉しいとき、その気持ちを十分に味わうことは素晴らしいことです。
同時に、すべての出来事に強い感情を向けていると、とても疲れてしまいます。「感情オフモード」は、あなたの大切な気持ちを守り、本当に大事なことに感情を使えるようにするための知恵なのです。
自分の感情と上手に付き合っていくことは、大人になっても大切なスキルです。時には全力で感情を表現し、時には「感情オフモード」で自分を守る。そんなバランスの取り方を、少しずつ学んでいきましょう。
まとめ:「感情オフモード」を味方につけよう
「感情オフモード」は、あなたの心と元気を守るための特別な技です。使うべきときに上手に使えれば、人間関係のストレスが減り、もっと楽しく過ごせるようになります。
でも、いつも「感情オフモード」でいる必要はありません。大切な友だちや家族との時間では、思いっきり笑ったり、時には泣いたり、感情をしっかり表現することも大事です。
自分の気持ちを大切にしながら、時には「感情オフモード」も使って、バランスのとれた心の使い方を身につけていきましょう。それがこれからの長い人生で、あなたの心を守り、健やかに過ごすための秘訣になるはずです。
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