お金の循環と社会のルール - みんなが知っておきたい「マネーロンダリング」のこと

こんにちは!今日は少し難しいけれど、とても大切なお話をします。みなさんが将来、社会の一員として生きていくために知っておくと役立つ「マネーロンダリング」という言葉を聞いたことがありますか?ちょっと聞きなれない言葉ですが、簡単に言うと「悪いことをして得たお金をきれいに見せかける方法」のことです。

この記事では、そんなマネーロンダリングについて、わかりやすく解説していきます。難しい言葉もあるけれど、一緒に学んでいきましょう!

1. マネーロンダリングって何?

お金が「汚れる」とはどういうこと?

お金自体は悪いものではありません。でも、どうやって手に入れたかによって、「きれいなお金」と「汚れたお金」に分けられます。

例えば、お家の人がまじめに働いて得たお給料や、みなさんがお手伝いでもらったお小遣いは「きれいなお金」です。でも、人をだましたり、ルールを破ったりして手に入れたお金は「汚れたお金」と言われます。

なぜ「洗う」必要があるの?

悪いことをした人たちは、自分が悪いことでお金を得たとバレたくないので、そのお金の出どころをわからなくしようとします。まるで洗濯機で汚れた服をきれいにするように、お金の「汚れ」を洗い流そうとするので、「マネーロンダリング(お金の洗浄)」と呼ばれるんです。

マネーロンダリングの3つの段階

マネーロンダリングは、大きく3つの段階に分けられます。

  1. 配置:「汚れたお金」を銀行などに少しずつ預けて、金融システムに入れる段階

  2. 分散:お金の流れを複雑にして、どこから来たのかわからなくする段階

  3. 統合:「きれいになった」ように見せかけたお金を、普通の生活や商売に使う段階

2. どうやって「お金を洗う」の?

小分けにして預ける方法

例えば、悪いことをして大量のお金を手に入れた人が、一度にそのお金を銀行に預けると、「どうしてこんなにお金があるの?」と疑われます。そこで、少しずつ分けて、色々な銀行に預けることで、気づかれないようにする方法があります。

これは、大きなケーキを一人で食べると目立つけど、少しずつ友達と分けて食べると目立たないのと同じです。

たくさんの口座を使う方法

お財布がたくさんあって、お金をあっちのお財布からこっちのお財布に移し替えていくと、最初にどのお財布からお金が出てきたのか分からなくなりますよね。同じように、たくさんの銀行口座の間でお金を動かすことで、元のお金の出どころを隠す方法もあります。

海外のお金の流れを利用する方法

国と国の間でのお金のやり取りは、とても複雑です。例えば、日本から海外に商品を売ったり買ったりするとき、実際より高く見せかけたり、安く見せかけたりすることで、お金の流れを隠す方法があります。

これは、学校の交換日記をたくさんの友達の間で回すと、誰が最初に書いたのかわからなくなるのに似ています。

ネットのお金(仮想通貨)を使う方法

最近では、インターネット上で使えるお金(ビットコインなどの仮想通貨)を使って、お金の出どころを隠す方法も増えています。これらのお金は、誰が持っているかを特定するのが難しいため、悪用されることがあります。

会社を利用する方法

実際には何も事業をしていない「紙だけの会社」を作って、その会社を通してお金を動かすことで、お金の流れを複雑にする方法もあります。

3. どうやって見つけて止めるの?

世界中の国が協力しています

マネーロンダリングは世界中で問題になっているので、多くの国が協力して対策を立てています。FATFという国際的な組織が中心となって、各国のルール作りを手伝っています。

銀行や会社の役割

銀行やお金を扱う会社は、お客さんが誰なのか確認したり(本人確認)、怪しい取引がないかチェックしたりする義務があります。大きなお金の動きや、不自然なお金の出入りがあると、警察や金融庁に報告しなければなりません。

最新技術の活用

最近では、コンピューターやAI(人工知能)を使って、膨大な量のお金の動きから怪しいパターンを見つけ出す技術が発達しています。これは、たくさんの人の中から指名手配犯を見つけるのに似ています。

4. マネーロンダリングが社会に与える影響

社会全体への影響

マネーロンダリングは、一見すると「悪いことをした人だけの問題」に思えるかもしれませんが、実は私たちの生活にも大きな影響を与えます。

例えば:

  • マネーロンダリングされたお金で土地や家が買われると、本当の価値より高くなってしまい、普通の人が家を買えなくなることがあります

  • 悪いことをして得たお金が経済に流れると、まじめに働いている人が損をします

  • 国に納めるべき税金が払われないので、学校や病院などの公共サービスに使えるお金が減ります

私たちにできること

みなさんが今すぐマネーロンダリングと戦うことはできなくても、知っておくことが大切です。そして、将来社会人になったときに:

  • ルールを守って生活すること

  • おかしいと思ったことは、大人や先生に相談すること

  • お金のことについて正しい知識を持つこと

これらが、健全な社会を作る第一歩になります。

5. 実際にあった事例から学ぶ

パナマ文書の事件

2016年に、「パナマ文書」という大量の秘密文書が公開されました。これは、世界中の裕福な人や企業が、税金を逃れたりお金の出どころを隠したりするために、パナマという国の法律事務所を利用していた記録でした。

この事件で、芸能人や政治家を含む多くの人が、お金を隠していたことがわかりました。これをきっかけに、世界中でマネーロンダリング対策が強化されました。

何を学べるか

この事件から、私たちは以下のことを学べます:

  1. どんなに隠しても、いつかは真実が明らかになること

  2. ルールを破ると、信頼を失うこと

  3. 国際的な協力の重要性

6. 最新の対策と技術

ブロックチェーン技術

ブロックチェーンという、データを改ざんできない技術を使うことで、お金の流れを透明にする取り組みも進んでいます。これは、クラスの出席簿を全員で共有して、誰も勝手に書き換えられないようにするようなものです。

AI(人工知能)の活用

人工知能を使って、普通では気づかないような怪しいお金の動きを見つける技術も発達しています。これは、たくさんの本の中から特定の単語を含むページを一瞬で見つけ出すような技術です。

7. みんなが知っておくべきこと

お金の流れの重要性

社会では、お金がきちんとした方法で循環することが大切です。みなさんがお小遣いでお菓子を買うとき、そのお金はお店の人の給料になり、その人はそのお金で生活必需品を買います。こうして、お金は社会の中をぐるぐると回っていきます。

この循環が健全であることが、みんなが安心して暮らせる社会の基盤なんです。

ルールを守ることの大切さ

マネーロンダリングの話を通して、ルールを守ることの大切さがわかります。ルールは「自由を奪うもの」ではなく、みんなが公平に生きていくための「約束事」なんです。

もし、誰もルールを守らなくなったら、社会はどうなるでしょう?強い人や悪い人が得をして、真面目な人が損をする世界になってしまいます。そんな社会は住みづらいですよね。

8. まとめ - 私たちの未来のために

マネーロンダリングという言葉は難しいかもしれませんが、その本質は「ルールを破って得たお金を隠す行為」です。これを防ぐことは、公平で安全な社会を作るために欠かせません。

みなさんは、まだ子どもだから関係ないと思うかもしれません。でも、将来社会人になったとき、この知識はきっと役立ちます。誰もが正しくお金を扱い、ルールを守る社会を作るためにも、今からこういった問題に関心を持つことは大切なことです。

ぜひ、お家の人とこの話題について話し合ってみてください。難しい言葉や概念があれば、一緒に調べてみるのも良いでしょう。

みなさんが大人になるころには、もっと公平で透明なお金の流れのある社会になっていると良いですね。そのためにも、私たちは日々の小さなルールを守ることから始めましょう!


用語解説 - 知っておくと便利な言葉

マネーロンダリング:悪いことをして得たお金の出どころを隠して、きれいなお金に見せかけること

FATF(ファトフ):マネーロンダリング対策のために作られた国際的な組織

仮想通貨:インターネット上でやり取りされる電子的なお金のこと

ブロックチェーン:情報を多くの人でシェアして、改ざんできないようにする技術

シェルカンパニー:実際には事業をしていない、書類上だけの会社

パナマ文書:世界中の裕福な人たちの秘密のお金の動きを暴露した文書


ここで紹介した内容は、「こうすればマネーロンダリングができる」というハウツーではなく、「こんな問題があって、世界はこう対策している」というお話です。知識は使い方次第で、社会を良くすることも悪くすることもできます。みなさんはぜひ、知識を良い方向に使ってくださいね!

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守屋吉之助🌈Healing artist
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