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「たくさんのことに手を出すと、何も身につかない」〜韓非子さんの言葉から学ぶ大切なこと〜
みなさん、こんにちは。今日は、古代中国の賢人、韓非子(かんぴし)さんの残した、とても大切な言葉についてお話ししたいと思います。
工人、数々業を変ずれば、則ち其の功を失い、作業数々揺徒すれば、則ち其の功を亡う。
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むずかしい漢字がたくさん並んでいますね。でも、実はこれ、私たちの毎日の生活にとってもよく当てはまる、大切なアドバイスなんです。
まず、この言葉を今の言葉に直してみましょう。
「職人が次々と仕事を変えていくと、その技術が身につかなくなってしまう。そして、作業が次々と変わっていくと、せっかくの努力も無駄になってしまう」
という意味です。
どうしてこんなことを言ったの?
韓非子さんは、約2300年も前の中国に生きた人です。その時代、たくさんの職人さんたちを見てきました。
腕のいい職人さんと、あまり上手くない職人さんの違いは何だと思いますか?
韓非子さんは、「一つのことを極める」という姿勢が、とても大切だということに気づいたのです。
例えば、こんな場面を想像してみよう
山田くんは、いろいろなことに興味を持っています。
4月から野球を始めましたが、1ヶ月でサッカーに変えました。
それから2ヶ月でバスケットボールに変え、今は水泳を始めようと思っています。
一方、鈴木さんは、3年前から野球を続けています。
最初は打つことも投げることも苦手でしたが、毎日練習を重ねて、今ではチームの主力選手になりました。
どちらが「韓非子さんの言う通り」の行動だと思いますか?
そうですね。鈴木さんの方が、一つのことを深く極めようとしていますね。
なぜ「あれもこれも」はダメなの?
「でも、いろいろなことができた方がいいんじゃないの?」
と思う人もいるかもしれません。
確かに、いろいろな経験をすることは大切です。
でも、韓非子さんが教えてくれているのは、もっと深いことなんです。
1. 技術は時間をかけないと身につかない
料理の達人になるには、何年もかかります。
ピアノの名手になるには、毎日練習を重ねる必要があります。
プログラミングの専門家になるには、たくさんの時間が必要です。
つまり、本当に何かができるようになるためには、時間と努力が必要なんです。
2. 中途半端は実は危険
少しだけ料理を覚えて、少しだけピアノを弾けて、少しだけプログラミングができる...
一見、すごそうに聞こえますが、実は危険なことがあります。
例えば、料理で包丁を使うとき。
ちょっとだけ習った人と、何年も練習している人では、安全性が全然違います。
本当の意味で「できる」というのは、そういうことまで含むんです。
3. 深い理解が生む新しい発見
一つのことを極めていくと、面白いことが起きます。
野球を例に考えてみましょう。
最初は「ボールを投げる」「バットを振る」という基本的なことしかわかりません。
でも続けていくと...
相手の気持ちが読めるようになる
チームワークの大切さがわかってくる
自分に合った練習方法が見つかる
道具の微妙な違いがわかるようになる
こういった深い理解は、ちょっとやった程度では得られないものです。
今の生活に当てはめて考えてみよう
韓非子さんの教えは、スポーツや趣味だけでなく、私たちの毎日の生活のいろいろな場面で活かすことができます。
勉強の場合:
「今日は算数、明日は国語、明後日は理科...」と、科目をコロコロ変えるのではなく、一つの科目をしっかり理解してから次に進む方が効果的です。
なぜなら:
基礎がしっかり身につく
応用力が育つ
自分なりの学習方法が見つかる
達成感が得られる
習い事の場合:
「ピアノも習いたい、習字も習いたい、英会話も習いたい」
と思うかもしれません。でも、一度に全部始めるのではなく、まずは一つを選んで、それを楽しむことから始めてみましょう。
そうすることで:
本当に自分が好きなことがわかる
継続する力が身につく
上達する喜びを味わえる
時間とお金を効率よく使える
生活習慣の場合:
「明日から早起きする!」「宿題は計画的に!」「部屋は毎日きれいに!」
一度にたくさんのことを始めようとすると、どれも長続きしません。
まずは一つ、例えば「早起き」だけに集中してみましょう。
それが習慣になってから、次の目標に進むのです。
でも、いろいろなことをやってみたい気持ちもある...
韓非子さんの言葉を聞いて、「でも私は、いろいろなことに挑戦したい!」と思う人もいるでしょう。
それは、とても素晴らしい気持ちです。
大切なのは、「やり方」なんです。
おすすめの方法:
○まずは一つを選ぶ
本当に興味のあることを選ぼう
少なくとも3ヶ月は続けてみよう
その間は、他のことに手を出さない
○基礎をしっかり身につける
焦らず、一歩一歩進もう
わからないことはそのままにしない
上手な人の話をよく聞こう
○ある程度できるようになったら
次の興味あることを始めても良い
でも、最初のことは続けよう
時間の使い方を工夫しよう
韓非子さんが教えてくれた大切なこと
この言葉から、私たちは次のことを学べます:
一つのことを極めることの大切さ
継続することの価値
基礎をしっかり身につけることの重要性
焦らず、着実に進むことの賢さ
まとめ〜あなたはどうする?〜
2300年前の言葉ですが、今の私たちにもぴったり当てはまりますね。
「あれもやりたい、これもやりたい」
その気持ち、とても素晴らしいものです。
でも、韓非子さんの言葉を思い出してください。
「一つのことをしっかりと」
それが、実は一番の近道なのかもしれません。
今、あなたは何かに取り組んでいますか?
それとも、いくつものことを中途半端に始めていませんか?
この機会に、自分の行動を振り返ってみましょう。
そして、「これだ!」と思うものを見つけたら、思い切り打ち込んでみてください。
きっと、素晴らしい発見や、大きな達成感が待っているはずです。
韓非子さんは、そんなメッセージを私たちに送ってくれているのです。
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