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しぜんとじねん

雨上がりは秋のいい香りが立って

ぐっと低くなった気温のおかげで

木々の色づきは美しさを増している。


春があって夏があって秋が来るのは

冬があるからで

雨が降らなければ

豊かな水は流れない。


日常の些細なことに一喜一憂するけれど

不安や寂しさを感じるからこそ

喜びも大きくなる。


毎日毎日波乗りを楽しんで

ちょっとこけてもまた立てばいいし


日本には自然(じねん)という言葉はあったけれど

自然をしぜんと読み、ネイチャーと訳したのは

明治時代以降のことらしい。


自然は対峙するものではなく

自然の一部だと感じる感性は日本人の特質だ。


今年は古くからある発酵食品を見直して

季節の刹那を一層いとおしく感じられるようになった。



この二日間で一気に

「脳と森から学ぶ日本の未来」稲本正著を読んだ。


この本の中で著者の稲本正氏がもともと最初は作家志望で

叔父がヘミングウエイを訳した文芸評論家の佐伯彰一だったこと

国木田独歩や漱石を読んで

物理を学ぶことを決めたこと

父親が医者だったことを初めて知った。


森の話にとどまらず

地球の歴史や科学の歴史、宇宙や量子学やAI

本のテーマはかなりスケールの大きなものだったけれど

稲本という人が

自分自身にひたすら向き合って生きてきた人だというのがよくわかった。


内側の自分と向き合うことが

結局世界と向き合うことで

逃げたとしても追いかけられるのだから

だったら抱きしめてあげよう


読み終えて

そんなことをぼんやり考えた。


今日の夕空では月と木星と土星が接近して見えるらしい。

よく晴れているので楽しめるかな。













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