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今、フィリピンでキチママと暮らしてます。(第二期)(14)

娘のお泊り会

キチママがサリサリストアを始めてすぐ、土日私が仕事が休みの日になるとキチママは約束通り娘を連れてくるようになった。キチママは店があるので、娘を玄関先に置いてすぐ帰っていったが、娘は週末の間私の家で過ごしていた。

コロナで自宅隔離をしていたこともあり、2週間ほど子供にあっていなかった私はうれしくて、娘が好きなお菓子やおもちゃをたくさん買って準備して待っていて、娘がいる間は好きものを好きなだけ食べさせた。

娘が好きな日本のうどんやラーメンを事前に買っておいて、お腹が空いたと言えば、作ってあげた。どこにいくにもいっしょにいて、今まで一緒に住んでいた時のような夢のような時間を過ごすことができた。

よく考えると娘といっしょに眠るのも久しぶりだった。

いっしょに手をつないで散歩に出ると近所の人たちが声をかけくれてうれしかった。キチママが犬のことで引っ越す前は当たり前のようにしていたことをずっとできなかったけど、今こうして実現することができた。

幸い私の家にいる間、娘はキチママのことを恋しがらなかったが、キチママはこれまで娘と離れたことがないので、数時間おきに電話をしてきて娘に「帰りたくなったら言ってね」と言っていたが、娘は「Ayoko(やだよ)」と断っていた。

そんな娘の態度にも正直うれしかったし、いろんな人が「Daddy's Girl(パパっ子)」だと言ってくれるが、半年以上離れて暮らしてきても変わっていなかったことがさらに嬉しかった。

ただし、娘が体調不良になると普段いっしょにいない私はどうしたらいいかわからなくなり慌ててしまい、キチママに電話をして対処方法をきいたりしていると娘は不安になるのか「I want to go home ! I miss mommy !(家に帰りたい、ママに会いたい)」と泣いてしまうこともあり、そんな日は娘が眠りにつくまで必死に看病したり大変な面もあったが、それでも子供といっしょに過ごせる今の時間が尊いと感じた。

娘が私の家で週末を過ごすようになり、キチママも一度だけ息子を連れて私の家に週末泊まりに来たことがあったが、息子が泣き止まないことに腹を立てて、息子を怒鳴りつけて哺乳瓶を壁に叩きつけたことに対して、私がそれを叱ったところいつもの通りケンカになり、キチママは娘と帰っていった。それ以来キチママは息子を連れて泊りにこなくなった。

それから1カ月ほどたった頃、フィリピンの日本人大使館でワクチンを提供してくれる機会があり、やっと念願のワクチンを打つことができたので、「じゃぁ、もうこっちにきても大丈夫じゃん」と言って、娘を連れてきてくれなくなったので、それ以来また私がキチママが住んでいるスコーターエリアに行くようになった。

正直、スコーターエリアにはもう行きたくなかったが、やはり息子が生まれてからほとんと会えていなかったことと、子供たちのことが心配だったのもあり意を決してキチママの家に向かったのだった。

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