自己肯定感と自尊心について
久しぶりに痺れる体験をしたので書いてみる。
ルーマニアの本を読んでるんだけど、これが今年一面白い。
タイトルは『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないまルーマニア語の小説家になった話』だ。
著者の舞い上がった心、テンション爆上げの感じが肌感で伝わってくる。こういう感じ、自分もあったな~と。HONZに選ばれたときの気持ち。そのあとの飲み会で違う世界に迷い込んだ感じ、その時の高揚感を思い出した。
で、それをありのまま表現するのって、きっととっても難しいのだけれど、著者は勢いをそのまま文章に乗せて書いている。
著者は1992年生まれ。彼と同世代にいるってだけですごく自慢に思える。
それでその本には、引きこもりについて、「俺たち引きこもりは、自己肯定感がマリアナ海溝の底よりも更に深い場所に沈んでいるんだよな」と書いてあった。
私、それ見たときに、目から鱗で、自己肯定感と自尊心という2つがあるんだ、と。私自分好きなのに、自己肯定感が低くて、なんか矛盾しているなと感じていたんだ。
そしたら、分かったのは、私は自尊心が高くて自己肯定感が低いんだなと、納得した。そこの高低差がめちゃあるから、つらくなるんだと。
著者からしたら、「お前、そこかよ!気づいていなかったのかよ!」って突っ込みをもらいそうな話かもしれない。でも、腑に落ちて、さらに共感することができて、心熱くなった。
そして、ナルシシズムについても良いなと思って、「ナルシシズムは日本語でいうと、自己愛。自分を愛することの何が悪い。胸張っていこうぜ」みたいなことが書いてあった。
自己愛、めちゃ大事だよね。ナルシシズムは悪だと、私も苦手なものに振り分けていたけど、めちゃかっこいいじゃん、自己愛。
きっとこのへんの気持ちって、若葉だけじゃなくて、同世代の多くの人が共感してくれるんじゃないかな。自尊心と自己肯定感と自己愛と。自分のこと興味あるけど、なかなか理解するのが難しくて、うやむやになっている人たち。みんなにお勧めの本です。
私、この辺でいつも読書が滞っちゃうというか、内容が頭に入ってこないというか、気持ちで熱くなるタイプ。自分でもバカだなと思うんだけれど、本書の内容も素晴らしいです。日本に住みながらルーマニア語で小説を書くという、言葉を使って国境を超えることの考察がとても面白い。要所要所で出てくる漫画とか映画も読みたくなって、間違いなく読者の世界観を広げてくれると思う。
そういえば、気持ちで熱くなるというお話で、すごく良い新聞記事があったから紹介したい。
日経2023/4/8の話。「遠藤周作『イエスの生涯』『深い河』」という記事で「真実と事実は違う」という話が書かれている。最高だから見てみて!事実を真実に変えて伝えること。世の中がくすんで見えるのは真実が見えていないから。このお話こそ、真実を伝えてくれるもの。
読んでいたビジネス書で2項対立が大事と書いてあった。真実と事実、自尊心と自己肯定感。対立じゃなくても、こうやって並べると、たしかに面白いし、思考が広がるね。
「面白い」という言葉を連発するのは悪だと、昔思ったことがあった。面白いを言い換えるのが必要でしょ。いや、何が大事かって、面白いと思ったことが大事なんだから、面白いでいいんじゃないかな。面白いをどう言い換えるかっていうのは、本質じゃない気がするね。
P.S. この前わかばに紹介してもらった三鷹のお店よかったな。筍のお刺身おいしかった。ホタルイカのアヒージョも。また行こうなー。三鷹のカラ館はちゃんとミラーボール回るしね!
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