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No.018 我謝 愛里(公務員/児童自立支援施設・児童相談所)

【深めたら面白そうだと思えたのが福祉】

1.どうして福祉の仕事を選びましたか。(法政現福に入学したきっかけは何ですか)

両親が福祉の仕事をしていたことがきっかけです。
父親は高齢者施設の施設長。母親は大学で児童福祉の講師をしています。

小さい頃から両親を見て「すごく忙しそうだな」と思っていました。

他の家庭状況はわかりませんでしたが、昔はあまりいい印象はなかったですね。


2人とも定時勤務ではないので、生活リズムはほとんどないようなもの。

私も小さい頃は夜の22時近くまで保育園にいたこともありました。

今思えば、やりたいことにあれだけ没頭して仕事に励めるのはすごいなぁと尊敬します。


そんな両親を見ていたので、大変な業界だということは理解していました。

それでも将来を考えた時、OLになって毎日定時に会社に通う自分は想像がつかなかったし、なにより福祉以外の学部に興味が持てなかった。

大学の4年間をかけて学びを深めていくとしたら「きっと福祉が面白い!」と漠然と思っていたんですよね。


 今の児童分野に就職先を決めたのは、きらきら星(ボランティアサークル)での活動があったからだと思っています。

きらきら星は児童養護施設で子どもたちと遊ぶ活動です。

1年生の時になんとなく選んだボラサーでしたが、子どもたちとの関わりは楽しく、児童分野が好きだと気付かされるきっかけになりました。


就活の時も児童中心の福祉職を探しましたが、いざ就活サイトで「福祉」と検索しても一覧に出てくるのは介護の仕事ばかり。

なかなか進路を決定することができず、大学の教授に相談をしにいきました。


そこで提案して頂いたのが、公務員の福祉職という選択肢。公務員は福利厚生が充実していて女性が働きやすい。

選びたくない理由はないなと思いました。公務員を受けてダメだったら、児童養護施設で働こうと考えました。


福祉以外に興味を持てないのはなぜ?


福祉以外の仕事をしたくないのは…なんででしょうね。

良くも悪くも福祉は一般的に捉えられ方が偏っている。

きっとこの職を選択する私たちの考え方はマイノリティであることには違いないのですが、私はその立ち位置が嫌ではない。

大多数に身を置く方が居心地悪いのかもしれないですね。


【児童自立支援施設/児童相談所 子どもの将来を守る仕事】

2.あなたの仕事について教えてください。

前職は児童自立支援施設で働いていました。

簡単に言うと犯罪や触法など非行を繰り返してしまう少年少女が入ってくる施設です。

彼らは必要な社会性を身につける為に、決められた日課をこなしながら共同生活を送っています。

施設の敷地内には公立の学校も配置されています。

そこは勉強を学ぶことが目的ではなく、授業態度の良し悪し、宿題が提出できるか、人の話が聞けるかなどの姿勢を厳しく指導しています。

ただ、学校と寮では教育と福祉と分野が違うこともあり、それぞれが同じ方向を見ながら協働していくのは難しいと感じることもありました。


日常では怒らない日がなかったですね。

子どもはよく大人たちを見ているので、ベテランと新人では態度を変えることがあります。

新人は特にナメられてはいけない、その為にも怒ってるということを大袈裟にパフォーマンスしなければなりませんでした。

これはベテラン職員たちの指導方法に習ったものですが、エネルギーを擦り減らす日々はとても苦しいものでした。


とはいえ、私や若手職員からすると子どもたちにとって、これまでの指導方法が良いものであったのかどうか疑問に感じます。

現状、退所してもまた一時保護所に帰ってきたり、高校を中退する子がほとんど。指導の結果が社会復帰に繋がっていないと思わざるを得ません。

その現実をもっと重く捉えなければいけないと思っています。


現在は児童相談所で相談業務をしています。私の所属は虐待対策班。

主に関わるケースは近隣からの虐待通告、警察からの書類通告による面前DV(子どもの前で夫婦が喧嘩する等)になります。

他にも法的なことや医療相談が関わってくる案件にも対応しています。

法医学の先生に頭部外傷の受傷基点を聞きにいったり 、保護者から子どもたちを守る弁護士さんと一緒に申立書を作ったりもしています。


仕事は楽しいですよ。怒らなくていいし(笑)

職場の人たちは一児童福祉司として立場が並列なので、組織の序列に縛られない。

自分の担当の子と保護者に直接働きかけができることにやり甲斐を感じています。


【ゼミで鍛えられたプレゼン力】

3.大学での学びが仕事で生きていると感じるのはどんなときですか。


ゼミでプレゼン力を身に付けたのは大きかったですね。

援助方針会議という自分の担当児にこうした援助をしていきたいと伝える場があるのですが、全職員に納得してもらわないと支援を進めていくことができません。

考えを説得力のある言葉に換える力も質問への適応力もゼミで培われたものだと思っています。


あとは児相のアルバイトをしていたので、元々のイメージを持って就職できたのも良かった。

公務員が思っていた以上に激務だということもアルバイトで知りました。

先に現場を知ったことで期待や失望をすることなく、仕事に励むことができていると感じます。

【何かに決めつけず、幅広く】

4.いま興味を持っていることやテーマは何ですか。


今は医療の相談が主なので医療の知識を深めていきたいです。

趣味があまりないので、何かに特別興味を持つことはありません。

その代わりに誘われることは全部やるし、全部楽しいなって思うことができます。


【お母さんになる/その時の感性を大切に】

5.今後の目標を教えてください。 お母さんになって仕事をしたい。


仕事で子どもを見てるとすごく可愛いし、私も早く欲しいと思うようになりました。

仕事での目標は特にないですね(笑)

その時々に応じて興味や目標は変わるものだと思うので、決まったものは思いつかないです。

先ほども言いましたが、私はどんなことでもやれば楽しいし学べば面白いと思えるタイプ。

その場その場で、いいなと感じるものを大切にしていきたいです。


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