【ワークショップレポート&インタビュー】吉祥寺シアターダンス部2024「BALAとつくる!ダンスワークショップ&ショーイング」
吉祥寺シアターでは2024年8月から9月にかけて、インターンシップ生として跡見学園女子大学の中村優伽さんをお迎えしました。その中で、ワークショップの開催レポートも執筆いただきました。コンテンポラリーダンスに初めて触れる新鮮な視点からのレポート、ぜひご覧ください!
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8月5日から8日に吉祥寺シアターけいこ場にて、「BALAとつくる!ダンスワークショップ&ショーイング」が行われた。内容は、コンテンポラリーダンスユニット「BALA」と共に、4日間で身体の基礎とダンステクニックに触れ、集大成として最終日に小作品の発表をするというもの。
本記事では、1日目と最終日のワークショップの様子をお伝えする。
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1日目
けいこ場では、BALAがそれぞれコンディションを整えていた。BALAからはどのような人が来るのかというワクワクを感じる一方、参加者からは緊張が感じられた。
始まったのは、私がイメージしていたダンスとは違う角度のものだった。
自由に「歩く」。ただ、それだけだ。
そこに、動きや交流、意識を少しずつ増やし、感覚を研ぎ澄ませる。一つの空間を作り、ありのままを引き出していくのだ。
感覚が研ぎ澄まされた中で、非言語コミュニケーションが行われる。
次第に、人との繋がりが増し、個性が表れる。
社会の中の日常という空間に、引きずり込まれていった。
お互いが受け取ろうとしないと難しい繊細なコミュニケーションが、けいこ場の空間の中で行われ、言葉を交わさずとも、皆が繋がっている感覚を体感した。
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最終日
参加者が集まった時に、1日目とは違う雰囲気を感じた。1つの作品を創り上げる仲間であると同時に、個人の存在感が増していた。3日間で身に付けた表現を、繋ぎ合わせ、一連の流れに仕上げていく。
ショーイング前の最後の仕上げ。各々は最終確認の為、自主練習をしていた。
BALAからは、「新鮮な気持ちで踊り、リアルで起きていることを楽しむこと」、そして、「人に見られていることを意識すること」を伝えられた。後は、「楽しむことのみである」と。
ショーイング
4日間の集大成が20分の作品へと仕上がっていた。
緊張や不安の雰囲気から一変して、最大限に楽しむという思いが空間に広がる。
雰囲気の変化、ほんの数秒の間が、時が止まったかのような空間を作り出す。
帽子を使い、好きな季節を空間に描くソロの場面。各々の個性が表現された場面だった。
繊細さや大胆さなど表現する姿は美しく、心境の変化が行動に表れるさまをリアルで目の当たりにした。
皆はどのような気持ちで踊っているのか。観客は何を感じているのか。この空間の中で、それぞれ個人が感じていることは違ったのだろう。
振り返り
皆からやり切ったという思いが感じ取れた。この4日間で、各々思ったことや感じることがあったようだ。
広い視野を持ってお互いリカバリーし合い、言葉以外のコミュニケーション方法を知り、挑戦し、楽しむ。
BALAが言葉にしていたこと、舞台は生き物であるということ。その瞬間ごとに、リアルに感じるものがあるから。
新鮮さ。これは、本番や日常で感じづらいもの。
そして、非常に難しい「自由」であること。
参加者も、ワークショップに参加したからこそ得られたものがあっただろう。
コンテンポラリーダンスという、自由度が高く、生きることを表すダンスを、より多くの人が楽しんでくれることを願っている。
ワークショップ終了後、BALAにインタビューを行った。
コンテンポラリーダンスユニット「BALA」は、2021年12月に結成された6人のチーム。平原慎太郎主宰のダンスカンパニーOrganWorks に所属しながら、自分達でも作品を創作し踊っている。多種多様なダンステクニックを持ったメンバーが、私達と社会を結びつける。また身体表現の追求により、コンテンポラリーダンス界における技術の向上と、下の世代に向けて表現活動の伝承を行う事を目的としている。
――――BALAとはどういったグループですか?
「BALA」は、活動を始めて2年ほど経つダンスカンパニーです。トップがおらず、一人一人の出身やダンスの経験、きっかけもバラバラの人たちが集まってできたグループです。そして、社会と何かしらで繋がりたいという思いを持ち、一つの作品を皆で作っています。
――――ワークショップを通して発見したことはありますか?
ダンステクニックの有無が違いましたが、参加者は苦手や自分の力量を気にせず、物事や人に興味を持ち率先して取り組み、舞台に立つ身として良いと思いました。
自分の得意と不得意があることを知り、好きや得意なものに出会えるか否かの差は大きいので、自分が好きなダンスに出会える機会が増えたら良いと思います。
見た目が大人し目の子に対して、どのくらいアドバイスをして良いのかを考えた時、手先や動きなどの体の表現で意識が見えて、「もっとやりたいんだな、やっていいんだな」という意思が見えたという新しい感覚があり、非言語コミュニケーションの大切さを改めて感じました。
――――ダンスを始めようと思っている人へのメッセージをお願いします。
ダンスは怖いものではなく楽しいものであり、世界中の人々がダンスをすれば平和になると思います。「上手く踊れないといけないんじゃないか」と思うかもしれませんが、特にコンテンポラリーダンスは、日常の動作が振り付けになる正解のないジャンルです。YouTubeなどに動画もあり、ジャンルも多いので、自分の好きなものを見つけて気軽に始めて欲しいと思います。
私たちも勇気づけられるチームになれたらいいなと思います。
BALAの皆さんそれぞれ違った個性を持っていて、色々な角度からダンスに色を付けることができ、新しい表現を生み出せるグループだと思いました。
――――本日はありがとうございました。
【BALA 今後の出演情報】
◎ 池上たっくん
◆平原慎太郎新作公演 「せかい」 池上たっくん出演
神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール
<チケットかながわ>https://www.kanagawa-arts.or.jp/tc/news_detail/2593 <イープラス>https://eplus.jp/sf/detail/4191390001-P0030001
日時 : 2024年11/30(土) 13:00 / 19:00
12/1 (日) 13:00
◆「On Piste 2025」
池上たっくんがワークショップを行い作品を作ります。詳細はOrganWorksのHPにて。
開催期間 : 2025年 2/7~11
◎堀川千夏
◆「Ballet クレアシオン」
二見一幸振付「RITE」出演。
日時 : 2024年 11/10(日)
場所 : 彩の国さいたま芸術劇場
開場時間 : 15:15
開演時間 : 16:00
チケットご希望の方はこちらのメールアドレスまで。
cioccolata.1000noci@gmail.com
◎BALA
◆吉祥寺ダンスリライトvol.4 Aプログラム
(出演者:浜田純平 池上たっくん 大西彩瑛 堀川千夏)
日時 : 2024年1月31日(金) 19:00/2月1日(土) 14:00
場所 : 吉祥寺シアター
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