韓国の旅を振り返る。②
travel journal / South Korea②
2,3日目はたくさんの場所を巡った。前半の記録では、訪れたスポットやブランドのこともわたしの視点で書き残しておこうと思う。
(①はこちら)
写真は2日目。朝ごはんを食べにソンスへ。
滞在していたソンスドンの宿から、ひと駅で行けるソンスにあるcafe onion。
韓国に行くことが決まるまで地理情報はもちろん、どんなカフェがあるのかとか、どんな歴史や文化があるのかとか、どんな店が流行ってるのかとか。何も知らなかった。んだけどそんな私でも知っていたカフェ。
私たちが行ったのはソンス店だったけどソウル市内に4店舗展開。それぞれにコンセプトがあるらしく、今度行く時は違う店舗にも行ってみたい。
私たちが行ったソンス店は昔の工場跡をリノベーションした店舗でスタイリッシュとかインダストリアルとか、そういう一言では言い表せないような奥行きのある空間だった。調べてみたらonionのリノベーションを手掛けたのはFabrikrという韓国のアーティストグループで、onionの完成をきっかけに、空間プロデュースやオブジェなどで、ナイキやジェントルモンスター、サムスン電子など様々な企業案件をヒットに導いているアーティストグループらしかった。
ミクロとマクロは同じ構造である。という世界観で空間と物を捉え直す。
そこに何のためにそれぞれが存在するのか。という文脈をを見つけ出し、解釈したものを深く掘り下げ自分たちの視点で再定義。それを改めて形や空間で表現しています。みたいな事が書いてあって震えた。わたしの理解があっているのかどうかはよくわからないけど。一貫性のあるあの空間は雄弁に語るとか思いとかそういうものでは無くて、なんというか粋だった。野暮くないというか。建物と空間と中にあるものが有機的に繋がっていてひとかたまりになって生み出される個性や街並みのような。
昔の歴史を都合よく解釈したり隠したりせず、不便もそのままに。堂々と受け入れてクリエイティブの力で今としっかり繋げていこうという、韓国の若い世代の考え方や強さに触れたような気もした。
パンや飲み物もとてもおいしかったけど、onionのあの空間がとにかく印象に残ってる。
「とても有名なおしゃれなカフェベーカリー」という印象で訪れたけど、ソンスの空気感の「象徴」のようにも感じたし、「空間をどういう風に作ったんだろう」っていう謎から色んなインスピレーションを貰った場所だった。いつもは早起き苦手なんだけど頑張って早起きしてよかった…。
この辺りには、たくさんのカフェが並んでいるけどその中でも大林倉庫(テリムチャンコ)というギャラリーカフェがある。もともと使っていなかった倉庫に着目して、リノベーションをした火付け役のカフェ。その大林倉庫でファッションショーや公演を開催した事がヒットを呼んで、それをきっかけに地域一帯に立ち並んでいた倉庫跡地にリノベーションカフェや店舗が増え、今では聖水洞カフェ通りと呼ばれるほどに成長した。という経緯があるそうな。(次はそちらにも行ってみたい)
気の向くままにソンス駅近辺を散歩をしていたら偶然、行きたかったお店を発見。
フレグランスブランドのnonfiction。弘大の店舗に行く予定だったんだけど、ソンスにも店舗があるのは知らなかった。
ちなみに「リチュアル」とは「儀式」のこと。フレグランスやボディケアアイテムを展開していて、いちにちの始まりや終わりに自分をケアする時間を持つことや、その中で「香り」を媒介として自分自身に集中できる素朴で自分だけの「儀式」を提案しているブランド。名前の「ノンフィクション」は「自分の物語を生きる」という意味らしい。
すごく個人的な話なんだけど(旅日記の①でも少し書いたけど)わたしは18年くらい前に心を病んだ時期があって。人の多い場所に行ったり、乗り物に乗ったり狭い場所に行くと動悸がして外出ができない時期があったんだけど。その時にわたしを支えてくれたのが「ネイル」と「香り」だった。中学生の頃から心がザワザワするとアロマオイルをたいたりしていて「香り」はとても身近だった。動悸がしてパニックになるといつも持ち歩いていたお気に入りの香りを嗅ぐと棘だった感覚が丸くなった。ふわふわと浮いていた気持ちがしっかり自分の真ん中に戻ってきて「わたしは大丈夫」と思えた。臭覚って本当に本能的な反応をするんだなあって今も思う。(あ。今はとても元気)
そんなわけで、今でも香水やアロマはわたしにとって大切なものになっているし、どこかでこの「ノンフィクション」のコンセプトを見て「いちど店舗に行ってみたな」と思っていたブランド。
グレイとベージュ。という2種類の香水がとても気になったけど、香水はつけた時からゆっくり香りが変わっていくから結局決めきれず。この日はムエットのサンプルと手首に少し香水をつけてもらって、いちにちの香りの移り変わりをたのしんでみる事にして、気軽に使うことができるジェントルナイトという香りのローションを購入。サロンでハンドケアの後におきゃくさんと一緒に使おうと思って。
この日は、この後予定があってあまり長居できなかったけど、スタッフの方が本当にとても親切。英語、日本語ができる方がいていろんな質問もできて安心感があった。
韓国にきて2日目。英語は全くできません!って思ってたけど、ハングルが全くわからないから簡単なコミュニケーションは英語の方が断然通じ合えて「もうちょっと勉強すれば英語圏の旅の方が楽なのでは?」とか、気持ちが大きくなったりもしはじめた。(けど、このあと色々波乱あり)
この日はこの後、明洞→三青洞→弘大エリア→東大門に移動。
6日間の中で一番動いた日だったけど、この移動のおかげで随分乗り換えや地理感のイメージが掴めるようになった。後の記録はまた次回。