第1回 思い出のラーメン
いらっしゃいませ!
注文はこちらで
不愛想な店員さんに注文してお金を払う
この人はなぜラーメン屋で働いているのだろう?
アルバイトか?
アルバイトにしては年齢がいってるな(失礼か?)
そんなことはどうでもいい
その店に入るのは23年ぶりだ
よくまだやってるなと思う。
何度も何度もその店の前を通過することはあったけど入る気にはならなかった
なんでかはわからない
まあ、記憶にあることといえば
その当時付き合っていた子が実家に帰るか何かでその前にあっていた。
いや
帰ってきたのかな?
もはや記憶にない
その時に初めて入った店だ
当時の私には濃い味で
随分と濃い味のラーメンだな
と思った
そんなことしか覚えていない
さて
席に着いたら、アクリル板があって、随分と狭っ苦しい
食べにくそうだ
ラーメンが運ばれてきた
意味がわからないが
なんだかワクワクしていた
恐る恐る
ラーメンを口に運ぶ
薄!!!!
あれ?
濃かったはずなのにな・・・
薄口にしたわけではないし
おかしな感覚に襲われながら食事を続ける
変な感じだった
食事を続けると
だんだんと自分の記憶に自信がなくなっていった
「俺がこの23年間記憶していいたことはいったいなんだったのだ?」
呟く・・・
もっと早くきてみればよかった
23年間自分の中で
「濃い味」と思っていたら
「薄い味」だった
衝撃だ!ってか
損した気分だ!
俺の思い込みだったのか・・・
もはや
自分の記憶に自信がなくなってきた・・・
「あのときはよかったよね」的な話にも
自信がなくなってきた
実は・・・
「今の自分がそう思いたい」というだけのことなんじゃないのか?」
本当は事実は異なるのに
今の自分が自分の脳内で良いように変化させているのではないのか?
「思い出は美化される」
よく聞く言葉だ
「俺はそんなことはない!」って
自分では思っていたけど
本当は
「思い出は美化されている」
それが事実なのか?
いや・・・
そんなことは・・・
ない・・・
と信じて生きて行こう
「ありがとうございました〜〜〜!」
店員さんの元気な声に見送られて店を出た
さっきまで降ってた雨は止んでいた
「俺の記憶力頑張れ!」
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