人生にだって、意外とドラマはある
2年ほど前、会社の同僚と一緒に何げなく入った立ち飲みのバーでとても素敵なマダムに出会いました。
マダムと言ってもご結婚されているかは不明、年齢も70代くらいかな?という感じ。詳細はもちろん聞いておりません。
その方はとてもお洒落な方で、少しヒールのある靴を履きシンプルなマニキュアを塗っていました。首にはストールを巻きベレー帽をかぶっておりタバコを吸いながらお酒を呑む…
なんてかっこいいの。
その時には少しの会話しかできなかったのですが「あなた達はとても素敵な若者ね」と言って頂けて恥ずかしいような嬉しいような気持ちになりました。
その話を、実家に帰った際母に話していると突然母が興奮し出し「私が昔働いていたデザイン会社の社長だ!」と言い出しました。
バーで会話した際、苗字のみをポロっと聞いていた為特徴と名前が一致していた様です。
しかも呑んでたバーのある街と母が当時働いていた街が同じだった為、社長の自宅兼職場もそこから引っ越していなければ間違いないと興奮冷めやらぬ感じ。
私はいまいちピンと来ていなかったのですが、昔から実家にある鏡は結婚祝いでその方から貰ったと聞きその方に直接確かめようと思いました。
そこから何度かバーに足を運びましたが中々会えず…5回目くらいの時にやっと、日付が変わった頃マダムがフラっとバーに来ました。
以前にお会いしてから半年ほど経っていたので、覚えていないかと思ったのですが「お久しぶりですね、一緒にのみましょう」と言ってもらえて、なんだか懐かしさで涙が出そうでした。
少し話した後「もしかしたら人違いかもしれませんが…」と前置きし母の話をしました。マダムは「うん、うん」と聞いてくれた後、泣きながら「〇〇さんのお嬢さんだったのね」と。本当だったんだ、と思った途端に少し震えた事を覚えています。
その後はずっと母と働いていた時の話や、私がこの話をした事への感謝などを話してくださり結局朝4:00頃まで呑んでいました。
マダム、お酒が強すぎる。
最後別れる際にも、ハグをしながら「ありがとう」と言ってくださりまた呑む約束をしました。
あれからタイミングも合わず、お会いできていませんが絶対にお会いしたいです。
あの時はまだ彼女の呑んでいたお酒の美味しさを知りませんでしたが、今ではそれが一番好きなお酒になっています。
マダムと同じお酒を呑みながら、会っていなかった間の話をしたいものです。
その時は、母も一緒に。
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