遠ざけたくなる音楽
こんな世の中になってから、意識的に聞くのを避けていたバンドがいる。
それは、ウラニーノ
私はウラニーノが好き。
小説のように駆けていく歌詞と、身体をさらう波のような曲に溢れていて、生々しいフィクションを奏でるバンド。
メッセージ性が強いといえばそうなのかも知れないが、私的にはそうじゃなくて、なんだか色が濃い。
濃口。薄口より甘い。
歌詞が多面的だからなんだろうか。
ライブでの姿が泥臭いからなんだろうか。
まぁなんにせよ、好き。
とりあえず、好き。
それしかない。
だがしかし、その生々しいフィクションが、この世情や、置かれた環境にハマり過ぎて、胸を抉られる感覚になる。
好きだし、聞きたいし、ライブ見たいし。
でも言葉と音の一つ一つが、その全てが、私を刺してくる。
痛くて、痛くて。
だから少し、いやだいぶ。避けた。
聞けなかった。
あるよ
本当のこと
日陰者
ハーメルン
音楽はあるか
死ぬとか生きるとか
世紀末の歌
愛してる
聞くとしんどくなる曲を挙げたけど、なんかもう私が知ってるウラニーノの曲全部がそうかもしれない。
あ、いや嘘だ。
夏なんですとファーマーの長男は全然OK…
本来なら、前向きになるための音楽なんだが。
前を向きたい、向こう、としてるのに、上手くいかない。だからだろうな。
人として凄く寄り添った音楽をするバンドとか
君は君、僕は僕、みたいな境界線バッチリなバンドとか
分けていったら千差万別だろうけど、
ウラニーノは、他人を介して無茶苦茶同意してくる感じ。
いや、同意を促してくる、のほうが近い。
先に言った、小説みたいな歌詞、が強い理由だと思う。
そうやって、痛いからしんどいからと避けてたウラニーノだが。
先日、ボーカルやまぎさんの歌う姿を久しぶりに拝見して。配信ではあったけれど、そこにいる、そこに生きてる、歌ってる。それを実感した。
こんなに胸を打つ音楽を避けていたなんて。
ハッとした。
聞いていてあまり平気じゃなかったけど、これは痛みを堪えてでも、また聞かないといけないと思った。
だから、ウラニーノ再開です。
避けたくなるほど、好き。
ということで。失敬仕ります…。