4月4日 プロ野球書きなぐりキビナグリ 日本ハム河野竜生の投球術とBIGBOSSの初志貫徹ぶり 阪神の開幕連敗について
昨日4月3日(日)のオリックス対日本ハム戦。
5回裏、佐野皓大が右打席で同点2ラン本塁打を放った。びっくりしたー。
あそこまでフルスイングしたこともだが、それがドンピシャのタイミングでバットにあたり、(物理的にはもっと浅い30度程度の角度なのは知っているけど、あくまでイメージとして)45度の角度でガツンとした打ち出し初速のすごそうな「打った瞬間行ったと思った」という打球を彼が打ったことにも驚いた。
これが通算3本目の一発だけど、タイプ的には岡田幸文(元ロッテ)のように通算本塁打ゼロでプロ野球人生を終えても不思議ではない選手なので。
オイラがそう思ったのだから、投げていた日本ハム先発の河野竜生も、おそらく本塁打に関していえば「100%ない」と思っていたに違いない。カウント3-1から、単にストライクをとるためだけという気配に満ちあふれた(笑)気の抜けたストレート真ん中高めだった。
ただ、「準備のスポーツ・野球」、「読み合いや計算のスポーツ・野球」とうたわれるこの世界において、河野の考え方自体は決して不用意とは思わない。
それを強く感じるのは、河野の吉田正尚や杉本裕太郎に対するこの試合での投球術に妙技が見えたからだ。
今中慎二(元中日)を彷彿とさせる「腕を鋭く振りながら、球は“スポっ!”っと、とんでもない高さに抜ける」緩い緩いカーブを投じた直後に、変に力んでフォームを変えることもなく、同じような調子でピッと来るストレートを投げ込んで空振りを奪う。
吉田に対しては、そうやって追い込んでから、外角へ逃げていくカットボールに吉田のバットは動かず!
判定はボールになったが、これなぁ、この球。リプレイのセンター真正面からのカメラ映像をみると、ホームベースをかすめるどころか、しっかり中を通過しているように思ったんだが……。
まあ、それはジャッジだから仕方がないにせよ、そこで切らさずに次球も力強い外角ストレートをコーナーにキッチリと決めて、遊ゴロに仕留めるあたり、ヘッドワークとテクニックのバランスが高いところでとれている好投手だと思う。そもそも、基本的に投球のリズムもいいしね。
杉本のときは、センターに大飛球を打たれたが、近藤健介の大ファインプレーが出た。このあたりは、リズムの良さが選手の軽快な動きにつながっていると思える。
ただ、弱点がないわけではない。
決めにいく球にメリハリをつける性格上、時折、簡単にストライクを取りに行くことがあるのだ。それが、今回佐野に食らったような痛恨の一打になり、自分自身の成績に勝星が増えていかない。
正直いうと、河野はプロのレベルでは、いくら緩急を駆使するとはいえ、球威で勝負できるタイプではない。
だが、全球ビタビタにコーナーをかすめるような精度を目指しているわけでもなく……。
というか、アマチュア時代に通用した「多少コースが甘くなっても腕を振って思い切って行ってしまえ! そのほうが、結果的に良い方に行くし後悔しない」的な“力勝負イズム”みたいなものをいまも持ち続けていて、悪くいえば、抜けきれていない空気が漂うんだよね。
今のような「自分が気持ち良いようにやれればそれでいい」という姿勢から、さらにプロフェッショナルな「自分がこの世界で長年生きていくために真に必要なことを磨いて徹底するのみ」という領域に自分を昇華させることができれば、うまい表現ではないかもしれないけど、現状のスキルで「球種の少ない石川雅規」には絶対になれる。
一応、JFE西日本時代から↑のように紹介してきた投手なので、頑張ってほしいと思う。
んで。
BIGBOSS率いる日本ハムについては、開幕から1勝8敗と大きく負けが混んだスタートなったわけだが……。
成績がついてこないと、さしたる根拠を示さずに表面上の結果だけですぐさま突っ込む輩多い今の世の中、嫌だねぇ。。。。
ただ、その采配について、選手がBIGBOSSの意図をちゃんと理解しているか? ということについては確かにある。
そして、それについては、東スポに掲載されていたファイターズOB&BIGBOSSの師匠こと柏原純一氏の視点によるコメントが大変腑に落ちるものがあったので↓にリンクを貼っておく。
これを読めば、「結果が出ていない→だからダメ」という単純なことではなく、なぜ結果につながっていないかが読みとれると思う。
個人的な勝手見解を述べると、BIGBOSSは監督就任当初から自ら発していた言葉どおりに初志貫徹していると思うよ。
今年はとにかく、チームの選手全員を掌握することを最優先にしている。
日替わりオーダーや、奇抜な選手交代、作戦などについても、今は結果を出すためではない。すべては“お試し”にすぎない。
選手の技術やクセ、性格的な面も含めて、BIGBOSSは自分の中に情報をインプットしているフェイズであり、それは則ち、自らについてもゲームマネージメント(=すなわち勝負カン)の勉強&訓練をしている期間と割り切っているようにみえる。
そこで一番の問題になるのは、中堅~ベテランの選手が、仮にそれを理解していたとして“納得”までしてくれるかどうか? なんだよな。
若手選手については、一緒に成長していこうと気持ちでシンクロしていきやすいが、中堅以降は「そんなことをしているうちにオレは選手としてのピークを終えてしまう」、「球団が得意としているノンテンダーという名の『トカゲのしっぽ切り』に自分がされてしまうのでは?」などといった不安がどうしても湧いてくる。
そこからBIGBOSSや球団に対する不信感を膨らませてしまい、若手を巻き込んで反旗を翻す。それが一番のネックになるだろう。
もっとも、西川遥輝、大田泰示、秋吉亮をノーテンダーとして自由契約にしたのは、高額年俸だけでなく、そのあたりについても考慮したところは絶対にあったと思う。
それどころか、まったく根拠はないけど、中田翔(巨人)の昨年の不祥事→リリースについても、その思惑があったところに絶好のタイミングが来た! みたいな対処だったのでないか? などと、個人的にはつい勘ぐってしまう。そういう勘ぐりは良くないんだけどね。
あ、それと、さっき書いた河野のカットがボール判定になった件。
その後、7回表に万波中正を追い込んだあとに同じ左腕の山田修義(オリックス)が投げた内角ストレートのクロスファイアについても、ほぼ同じ角度の球筋で球審の手が上がらなかった。
その事実からすると、これはどうやら京セラドーム大阪のかなり高い位置から映している映像の角度による錯覚なのかもしれないと思い直した。
理屈で考えてみると、たしかに真正面から映していてもかなり高いところからだと、ホームベースにまだ到達していない時点のボールがホームベース上を通過したようにみえる物理学で間違いない。
なので、吉田正尚に対する河野の投球としては、ズバッと決めに行くというよりは誘い球だった可能性の方が高いかな。
そして、次の外角ストレートで打たれても強振はさせず、合わされたとしてもせいぜいシングルヒットという配球だったのだと思う。かくして、思い通りにショートゴロに打ち取ったというところか。
いずれにしても、良い攻め方だったことには違いない。
……などと、今日はとりとめなく、ひとつの場面、ひとつのチームについてのみ語るのみ。しかも、一日遅れとなってしまったが、とにかくつないでいく。
シーズンが明けてから、まだ楽天についてはほとんど触れていなかったので、そろそろと思っていたのだけど、コロナ感染で試合がなくなっちゃったから(苦笑)。
あとは、、、いまだ片目も開かない阪神かー。
開幕戦のときに、新外国人のケラーが抑えに失敗したことを受けて、新外国人の抑え起用に関するギャンブル性については述べたが、開幕9連敗の大まかな内容を振り返ると、、、、
●開幕戦 ケラーが打たれて敗戦
●2戦目 零封負け
●3戦目 零封負け
●4戦目 ケラーが打たれて敗戦
●5戦目 中盤劣勢での中継ぎ陣が粘れず、ズルズル引き離されて敗戦
●6戦目 先発・秋山拓巳が好投しゲームメイクできたが1点差で惜敗
●7戦目 伝統の一戦初戦。序盤に失点重ね終盤追い上げたが1点差で惜敗
●8戦目 序盤の競り合いをものにできず。最終回に1点差に迫るも惜敗
●9戦目 中田翔の満塁弾にガツンと出鼻をくじかれ、初モノ赤星に好投許す
とまあ、「ケラー・ショック」のあと、6戦目の対カープ最終戦と7~8戦目の対ジャイアンツ1~2戦の3試合は、お互いに試合を動かしていったなかで、どちらに転ぶかわからない展開のときもあったのだ。
この3試合のうち、ひとつくらいは勝つことができていれば、とりあえずホッとなり、さあ、仕切り直しだ! となっていたはず。
現実的にはそれが叶わなかったけれども、逆にいうと、実はそれだけのことに過ぎないのだ。
まあ、たしかに。
長い歴史を誇るNPBにおいても、記録を調べると以下のとおり。
↑は、先日『なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦』に一緒に出場し、見せ場なく予選敗退に終わったオイラを後目に見事準優勝した日刊スポーツの高野勲記者が、もはや阪神の負のデータを調べるのはうんざり、という気持ちになりながらも、仕事なのでプロフェッショナルとして調べたそうだが(苦笑)、開幕7連敗以上したチームは過去Aクラスすらないそうだ。
これだけみると、早くもシーズン終わったと思ってしまうタイガースファンがいるのも無理ないと思うが、何事も最初はある。開幕7連敗しながらAクラス入りしたチーム、開幕7連敗しながらリーグ優勝したチームの「初」を目指せばいいではないか。
ましてや、ここ10年くらいのNPBは、野球のレベルが高度な領域でのぶつかり合いになったせいか、一度、リズムが狂ったときに相当な数の連勝、連敗が発生しやすい土壌にある。
なーに。10連勝を2回くらいかませば、前例なんて簡単に吹っ飛ばせるさ。
そういう、前向きな気持ちが大事だと思う。
プロ野球の場合、現在は12球団の実力差はほぼなきに等しい。順位の差が生じるのは、多分に経験値かそれを凌駕する勢い、あとは故障者の抑制とコンディショニングによるところが多くを占めている。
つまり、流れが変われば、巻き返しは十分可能ということだ。
ファンの人は、卑下することなく、希望を抱いて盛り上げて欲しい。
1996年に巨人が最大11.5ゲーム差を逆転してリーグ優勝をとげた「メイクドラマ」だって、最初は長嶋茂雄監督がその言葉を発していた当初は「はあ……」って感じだったよ。
でも、言い続けたおかげで、結果がともない始めると、やっているほうも見ているほうも現実的にその気になって、いつのまにやら勢いづいた印象だった。
元々、投手力はあるチームだけに、まず、投手がきちっと抑える形で初勝利を得ること。それができれば連勝にもつながっていくはず。
矢野燿大監督の進退発言とかもう棚上げしてしまって、明日からゼロ発進のつもりでリスタートしてほしい。
てなことで、今日は日本ハムメインに、最後に阪神をちょろっとというところでおしまい。
なぜか、書き始めるととりとめのない長い文章になっちゃうんだよな。
明日以降、次はいつになるのか? 今後も続けていけるのか?
それすらわからんけど、支持してくださる読者のかたは、ぜひ「スキ」をおしてもらい、できればフォローもしておいてくだちい。
その増え加減が目にみえて明らかであれば、モチベーションももっと上がっていくと思うので。
どうか、よろしくお願いしませう。