嵐と凪
石炭を原料にしたエーテル燃料の使用が主になる時代というのは来るのかもしれないな。
でも、それさえもいずれは枯渇するだろう。
ウラニウム資源はそれより早く無くなるかも。
その頃はきっと、地上で人間が住めない場所が多くなり、環境は金星に少し近付く。
その後で揺り戻しが来るかどうかが問題だ。
数百年を俯瞰する「地質学のような目」で今の世界を見るならば、高いところから低いところへと水が流れるように、移民の流れは止まらないことだろう。
そして、行った先で文化摩擦や暴動が起きるのも避けられないだろう。暴力により国境が動くこともあるだろう。
しかしそれは、化石燃料の使用によりここまで人間の移動が簡単になったから起きたことなので、石油や天然ガスが枯渇し、より密度の低いエネルギーの使用が主になるならば、人の移動は難しくなり、また各々の地域で固有の文化を築く方向へと向かう。
そして、摩擦や暴動を繰り返しながら、動的平衡の状態へと至るだろう。
そこでは人々は土地に縛り付けられた者として生きるようになり、「風の谷のナウシカ」の世界が具現する。
それを人類の黄昏だと呼ぶのは、今このときを生きる人間の価値観から見ているからそうなのであって、歴史を俯瞰する目からは、嵐が過ぎ去ったあとの凪だというふうに捉えられるのかもしれない。
どうせ私は生きていない時代の話だから、好き勝手に予言をしてみるw。
今生きているこの時で混乱を少なく止める努力までをも否定するものではないのは、当然のことだ。
そこが、誰かさんとは違う(誰?)。
(2024.4.9)