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負の遺産

以前、LRT(リトアニア国営放送)の記事から辿っていったサイトで、WWⅡのリトアニアでSS親衛隊が行ったユダヤ人へのポグロムに、現地住民らが加担したという記録があると知った。
同様の行為はポーランドのイェドヴァブネ Jedwabnemでも、現ウクライナのリヴィウでも行われていたようだ。英語版Wikiには日本版よりも詳しく記されている。

今、リトアニアやポーランド、ウクライナにいる人々は、それは父祖がやったことであり、自分たちとは関わりのない歴史上の負の遺産だ、と思っているかもしれない。

しかし、英語版Wikiではこの件について、カナダ人の歴史家ヒムカ John-Paul Himka が記述したという「(ウクライナの民族主義団体は)西側との関係を確立するという目標を支援するために、反ユダヤ主義の暴力から自分自身を切り離したかった」(AI訳)という見方を載せている。

これは、戦後のリトアニアやポーランドの国民、そしてドイツ国民や本邦に生きる私たちの態度にも共通する重い発言だ。

私は、自分の父祖が過去に行ったことを詫びるのは嫌だし、それを誇るのも嫌だ。だけど、彼らが何をしたのかという事実には常に注意を払っていたい。それが、自分たちの出発点なのだから。


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