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夢から逃げられない夢

今し方見ていた悪夢:
私は追われる。日暮れ時の校庭で、夜間のビル三階で、深夜の街の上空で、面相が定かでない魔女から、探し回る作業服の男たちから、裏切った団体の元仲間から。

私は逃げる。相手の顔を見たまま全力で走って、サッシ窓を開けてベランダへ、よく分からない飛行方法で空高く、枯れた草の根が纏わりつく階段の踊り場から。

夢であることは明白なので、目を覚ましてリセットしようとするが、覚醒できずに苦しむ。あるいは、ひとつの夢空間を離脱しても、またすぐ別の夢空間に囚われる。瞼を開けようとしても開けられない。
(2023.3.12)

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