リトアニアのアルパカ
以前LRTでリトアニアでのアルパカウールの生産に関する報道を見たことがあったけど、現状はどうなっているのかと思い、「Lietuva alpaca」で検索を掛けてみた。
2017年に開業したアルパカ牧場が観光で人気を呼び、同国内では「アルパカマニアがリトアニアを席巻する」と言われるようになっている。
‘Alpacamania’ is sweeping Lithuania - LRT
そして、アルパカウールのブランド「Alpacos」がある。
Alpakos vilnos gaminiai | ALPACOS
アルパカのブリーダーが広告を出している。
Alpacas for sale - Baltic Alpaca Farm - alpakuauginimas.lt
リトアニア国内でアルパカの飼養が始まったのは2011年だという。現在の状況に関する統計が見つかると思ったけど、行き当たらなかった。
スウェーデンやポーランド産のアルパカウールという商品の販売サイトもあったので、あのあたりでは今、アルパカ牧畜が流行になってるっぽい。
面白かったのは、アルパカ牧場のサイトにあった「アルパカは溜め糞をする」という記載。あちこちに撒き散らかさないので、たい肥としての利用がし易いと。
草食獣なのに、タヌキみたいに排泄場所を選ぶとは。
一方、日本国内で最大の「那須アルパカ牧場」は2023年3月で閉鎖され、飼養頭数の約半分は別企業の観光牧場へ移動している。
2021年5月には福島県郡山市三穂田町で営業していた「のんびり温泉別館イワナの里のんびりアルパカ牧場」(長い)が閉園した。
那須も郡山も、観光牧場として営業していたものが入場者数の減少により経営が成り立たなくなったから、という話らしい。
リトアニアとの差はどうして付いたのだろう。
広大な草地があって飼料を買わずに済むかどうか?牧畜と毛織物産業の基盤がある土地だったかどうか?
気になるのは、酪農業の廃業が相次いでいる理由と同じで、大型動物を飼養できる人が急速に減っているのと関係があるかなということ。
設備や動物の頭数は資金力があれば増やせるけれど、これらの動物と共にある生活に耐えられる人間は、一朝一夕には育たない。
うーん、問題は、「大型動物が身近にいる暮らしが失われている」ことだろうか。
観光牧場にも人が寄りつかなくなり、酪農業に従事する人にも後継者がいなくなる。モノはあっても、ソフトウェアが失われる。
リトアニアとは、きっとそのあたりの事情が違うのだろう。
(2023.12.20)
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