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AIと生物

AIを、情報を食べて成長し増殖する生物に例えるならば、未利用資源としての情報が食べ尽くされて、新たに情報が到着するのを待つような定常状態に達するまでは「個体数の増加」が続くことになる。
この場合の「食べ尽くす」とは、どういう状態が該当するのだろう。

散逸構造がその根本である生物は、自らを通過し散逸(エントロピーが増加)した後の物質やエネルギーは、そのままでは再び摂取することはできないはず。
AIではそれが出来て無限ループに陥ることがあるのだとしたら、AIを生物に例えるのは基本的に誤りだと言えるのかもしれない。

生物がひとつの種から複数の種に分岐する理由の根本は、動的平衡に伴う遺伝子の熱的揺らぎにあり、それが環境の淘汰に遭うことで多様性が出現するわけだけど、AIにはそれに相当するメカニズムがあるのだろうか。
入力の変化に応じて揺動するだけでは、構造としての多様性は現れてこなさそうだ。
(2023.2.20)

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