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赤肉系りんご謎品種の正体について
私が行っているりんご園には、鉢植えにされたりんごの樹が3本ある。
これらは赤肉系の品種であり、加工(洋菓子等)や醸造(シードル原料)に使えば、ロゼワインのような赤い色素が出た製品が作れるものだ。
物故した前の園主が3年前に苗木を購入し鉢に植えたらしいのだが、何も記録が残っておらず、品種名が不詳なので、私達はこれを「謎りんご」と呼んでいる。
このりんごの正体を突き止めたい。
そこで、生育の早晩や果実の特徴から品種名を特定するため、赤肉系りんご品種の一覧表を作ってみた。ソースは、農林水産省の登録品種データベースとFC2ブログ「スペシャルフルーツ」他。
![](https://assets.st-note.com/img/1682601187033-ZOuYINTCw3.jpg?width=1200)
今回調べた範囲では20種類の候補品種があった。
どうも、2010年代の後半に赤肉系りんごの品種登録ラッシュがあったらしい。品種の育成というのは十年単位で時間がかかるものだから、それ以前から果肉の赤いりんごが欲しいというニーズが高まっていたのか。
(なお、この表を見ると、赤肉の因子は「ピンクパール」「メイポール」「弘前大所有の赤肉系統」の3つに由来しているのがわかる。)
さて、この一覧表を見ながら以下の点を考慮して、鉢植え謎りんごの特徴に合わないものを除外してみた。
・昨年登録された新品種は除く。
・果皮色が濃紅色だったので、黄色または淡紅色のものは除く。
・収穫したのは11月上旬だったので、収穫適期が9月~10月中旬のものは除く。
・酸味は強かったので、酸度が低いものは除く。
※なお、メイポールは小粒のクラブリンゴなので除外し、弘前大学所有の系統は外部に出てはいないとして除外する。
すると、1「いろどり」2「なかの真紅」3「冬彩華」4「紅(くれない)の夢」が候補として残る。
このうち2と3は甘味が強いそうだが、謎りんごはそれほど甘くはない。
また、1と3は果実が大きいそうだが、謎りんごの果実は大きくはない。
よって消去法で、弘前大学が育成した「紅の夢」が残り、これがいちばん謎りんごに近い特徴を持っていることが判った。
この「紅の夢」は生食用にも加工用にも適した赤肉りんごとして、青森県を中心に栽培が増えているらしい。
㈲藤崎冷蔵商会 | 青森りんご「紅の夢」通販販売 安全安心なりんごを全国へ発送 (fujisaki-yume.jp)
今後は、謎りんご=「紅の夢」という仮定の元に観察を続け、もし当地で需要がありそうなら増殖をして(要許可)、料理や飲料の原料として料理店等に売り込んでみたい。
膨らむ「紅の夢」♪ (2023.4.27)
![](https://assets.st-note.com/img/1682602217400-SbjK82xVZy.jpg?width=1200)