「原性」
ある場所で、自分が本来の姿に戻った状態のことを指して「原性」という表現に出会った。「個性」ではなく「原性」。
「原性」って何?
おそらくそれは、自分が意識により構築したキャラクターであるペルソナとは対になるものであり、アナログな、動物的な情緒の部分なのだろう。
私は人をたまねぎに例えて、皮を剥いたあとに残るのは自分とは言えないものではないか、と考えたことがあった。
自分の皮|Atori Tsubasa (note.com)
しかし、自分の「中身」の正体が情緒であったとしてもそれは、生まれ落ちてのちに外界と衝突し融和して出来上がったのだから、人それぞれに固有のものであるはずだ。
これを突き詰めて考えていくと、自分の「潜在能力」とは何か、という話にも繋がる。能力が潜在しているとはどういうことなのか。
ここで、あるとき「遺伝毒性」について以前学んだことを突然思い出した。
DNAに変化を与えるもの(変異原)の、その作用の性質を変異原性(遺伝毒性)というけれど、その強弱は実際にDNAに作用したときにのみ測定し、定量することができる。
ならば人の「原性」、そして「潜在能力」も、外界に出現して場との相互作用が起きたときにのみ、その形や勢いが決まるものなのではないか。 そんなことを考えた。
(2023.7.21)