適応的攻撃と非適応的攻撃
「攻撃」という語の定義を(これまでの因縁もあって)深く掘り下げてみたいと思ったが、Wiki日本語版の該当項目に関する記事はさっぱり判らない。
「攻撃」「攻撃性」という語に与えている内容が幅広すぎて、様々な具が突っ込んである闇鍋であるかのようにさえ思える。
これを整理するにはどうすればよいのか。
体系として説明できる内容を持つ部分を拾い上げ、帰納的にまとめて、限定した意味を持つ語を与える(「○○的攻撃」とか)。
これらを列挙し、その総体としての(抽象化した)「攻撃」を定義する。
英語版Wikiではよく見られる記述方法なので、早速それを覗いてみる。
「しかし、人間における敵対的行動と道具的行動の区別については、研究分野では普通に言われているにも関わらず、現実には複雑な動機と相互作用する原因を伴うため、その有用性に疑問を呈する研究者もいる。」(意訳)
こういう記述が英語版Wikiの非凡なところだと思う。
「適応行動としての攻撃と非適応行動としての攻撃には連続的、段階的な水準があるにも関わらず、(攻撃についての伝統的な心理学的概念化は)非適応的な攻撃のみに絞って考えるために精度を失っている」という記述もある。
この項目名が「positive adaptation theory 正の適応理論」というのは興味深い。
こういう文言を見ると腑に落ちて、ざまーみろという気分になるのはなぜだろうw。
(2024.11.15)