あの「レジェンド」を動かした群衆の力とは
こんにちは。きびだんごのまつざきです。
ちょっとしたことが、世界中の人たちを巻き込む現象につながっていく。
世の中ではそんなことが時々起こります。
今回は、ちょっとしたジョークで作ったビデオが、世界のレジェンドを動かしてしまったという事例をご紹介します。
始まりは一本のビデオ
Kibidangoでも大人気の超小型ポータブルナイフ、WESN THE MICROBLADE(ウェスン ザ マイクロブレード)。そのWESNのオーナーが一年ほど前に冗談半分にあるビデオを投稿しました。
「サンプル頼むときに間違って10倍の大きさのナイフ頼んじゃった。笑」
まあ、そんなことあるわけないですが。ここは乗っかりましょう。すごいのはその後。
その動画がSNSでバズり、おびただしい数のコメントが寄せられます。
その中に「シャックにぜひ持ってもらいたい」というコメントが。
シャックことシャキール・オニールといえばバスケ界のレジェンド。身長216cm、体重147kg(Wikipediaより)の巨体には、何を持たせてもミニチュアにしかみえない。そんな彼にこの巨大なナイフを持たせたら、ちょうど普通の人がWESNのミニチュアナイフを持つみたいに見えるのではないか。
ところが、当たり前ですがWESNの人たちは誰もシャックの連絡先を知らない。
高まるファンの声
ビデオの中でWESNのイーサンは「このビデオのコメント欄でシャックをタグ付けして、動画をシェアして彼にこのメッセージを届けて欲しいんだ。僕たちを助けて!」と切望します。
その結果、そのビデオは550万再生、タグづけされたコメント数は25,000にも及んだとか。テレビからも多くの取材依頼があったものの、肝心のシャックからの連絡はありません。
もはや自分たちにとって名声とかは関係ないんだ、と彼はビデオの中で言います。「テレビに出たいのではなく、コメントしてくれた25,000人の人たちと同じくシャックがこのMEGABLADEを持っている姿が見たいんだ」と。
ある日、朗報が届きます。シャックのマネージャーの1人から連絡が入ったのです。興奮するWESNチーム。ただ「お金を出してスポンサーしてくれたらシャックにナイフを持ってもらうようにするよ」という提案。
「そうじゃないんだ、ただシャックにナイフ持ってもらうだけでいいんだよ」とWESNチーム。そして彼ら曰く「我々にはお金よりももっと価値があるものがある。それはこのストーリーを楽しみにしているファンの人たちの応援なんだ」。
事態が急変
そして最初の動画をアップしてから69日後に事態が動きます。シャックが直接彼らに連絡してきたのです。
「オレのナイフどこ」
すでにこの時までに動画の視聴数は1億回にも上っていました。
「具体的に会う日や場所を決めて」と順調に準備は進みますが、ある時連絡が途絶えます。
何もできずに日が経つ中で、ついに予定されていた面会日前日を迎えます。
依然、シャック側からは何の連絡もありません。
こうなったら直接会いにいくしかない、と思い立ったWESNチームは地球の裏側、パリへと向かいます。
パリに着いてもシャックからの連絡はなく、諦めようとしたとき、シャックが当日、パリのクラブでDJをする予定だったことを思い出します。ホテルのタオルにメッセージを書き殴り、DJ会場でそれを掲げます。
ついに対面の時
それでも何の返事もなく、諦めかけていたその時、本人から返事が。
「ホテルに戻るから、そこで会う?」
そして緊張するWESNチームの前に現れた、シャック本人。でかい。
ついに、ナイフを渡すことに成功します。
最後に本物サイズのWESNを手に。
多少ストーリーに脚色はあったとしても、シャキール・オニールがSNSに寄せられた世界中のファンの声に反応し、友情出演してくれたのはおそらく本当でしょう。
群衆の力を集めたら、絶対に不可能と思われたことでもできる。
何とも夢のある話ではありませんか。
・オリジナルビデオ
・WESNのミニチュアナイフ
・資料